寒波で家のお湯出ない…銭湯の利用者が急増 福井県、学校では水道管凍結で休校措置も

雪が降りしきる中、登校する生徒ら。道路ものろのろ運転で通勤する車で渋滞した=1月26日、福井県福井市文京2丁目

 厳しい冷え込みの影響で福井県内は1月26日にかけ、水道管の凍結によるトラブルが学校などに広がり、休校や下校時間繰り上げなどの対応に追われた。越前市では上水を送る配水池の水位が配管破裂とみられる漏水のため減少し、断水の恐れが出ている。

 あわら市金津中学校では26日午前6時半ごろ、校内の水道やトイレで水が出ないことに教員が気付き、消火栓設備も機能しないことから休校措置を取った。

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 同日朝の最低気温が氷点下8.9度だった小浜市の小浜美郷小学校では給水管凍結の影響で水が出にくくなり、下校時間を繰り上げた。

 福井市では25、26日に小中学校計7校で、水道が使えないなどのトラブルがあった。このうち大東中は27日の休校を決めた。市企業局には「水が出ない」などの問い合わせが殺到。25日午後5時ごろから26日午後1時までに約100件あり、半数は「水が漏れている」という宅内配管の破損だった。市営団地は26日午後3時時点で5団地37世帯が断水している。

 越前市の日野川以西の約1万8千世帯に上水を送るための配水池(同市向陽町)の水位が26日午後5時時点で半分に減った。市は、地中の本管や空き家の水道管が凍結によって破裂し漏水しているのが原因とみて調べている。貯水量がさらに減った場合、断水の可能性があるという。

 坂井市、あわら市の温泉施設や銭湯では「自宅の風呂が沸かせない」などの理由で利用客が急増した。坂井市の「霞の郷温泉」では25日、普段の平日の2倍近い1200人が訪れ、年末年始並みの混み具合だった。あわら市の「セントピアあわら」でも同日の来場客は610人と、この時期の平均を約150人上回った。26日に訪れた同市内の女性(69)は「25日朝から、栓をひねると水は出るけどお湯が出ない。10年以上住んでいて、こんな寒波は初めて」と話していた。

 越前市内でも水が出ない世帯が相次ぎ、市営温泉施設「しきぶ温泉湯楽里」では25日夜、普段の平日の倍ほどになる約660人が訪れた。  

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