水道水を全てダム水に変更 沖縄・金武 PFAS検出で地下水を中止 値上げの可能性も 事業費2億3500万円

 【金武】金武町内の水道水からPFASが検出されていた問題で、検出の値が高かった地下水に代わって、県企業局が管理するダム水を送るための送水管の敷設工事が26日までに完了した。町は2月1日から供給を開始する。対象地域では地下水の取水を全面的に中止し、企業局水のみを利用することになる。

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 水道水の供給源が完全に切り替わるのは、町内の金武区と並里区の二つの配水池。両区の水道水はこれまで地下水と企業局水を混合していたが、県企業局のタンクから流れる全長1.6キロの送水管の直径を2倍にした。事業費は約2億3500万円で、防衛省が3分の2を補助する。

 PFASの暫定目標値は1リットル当たり50ナノグラム。町内の別の配水池で12月に調査したところ、企業局水のみを利用した水道水は「1ナノグラム未満」の値だったため、金武・並里両区の水道水でも同じようなPFAS低減が見込まれる。

 水道料金については「すぐに変わることはないが、県企業局や他市町村の水準を見て検討することになる」(町上下水道課)として、値上げも視野に入れる。

 (増田健太)

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