値千金の2イーグル 蝉川泰果が初日128位から滑り込み

ショットに苦しみながらもスコアを伸ばした蝉川泰果(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン 2日目(26日)◇トリーパインズGC (カリフォルニア州)◇ サウスコース(7765yd、パー72)、ノースコース(7258yd、パー72)

「きのうを考えると、(予選通過は)無理かなと思っていました」。初日128位と大きく出遅れていた蝉川泰果は素直に言った。前週「ザ・アメリカンエキスプレス」では、3日間54ホールの予選ラウンドで通算10アンダーのカットラインに衝撃を受けたばかり。この日は比較的スコアが出やすいノースコースとはいえ、「経験したことがないくらいの風」が吹いていたことも勝ち気を鈍らせる理由だった。

出だしの10番(パー5)でグリーン手前からチップインイーグルを決めたが、勢いに乗り切れない。苦しみながら踏みとどまり、我慢が実ったのは後半5番(パー5)。3mのイーグルチャンスを逃さず、通算イーブンパー54位と決勝ラウンドに滑り込んだ。「ホッとしています」としつつ、どこか表情が硬いままなのはショットの不調によるところが大きい。

「もう、全くダメですね。どこに行くか分からないし、レイアップするのにもラフからラフに入れるし…」。予選通過を引き寄せた5番のイーグルもそうだった。残り200ydで風は左から。5Iでカットしたボールは意図に反してピンの2、3m手前まで飛んだ。「(ラウンドを通して)イメージと合っているショットがないです」と首を振る。

最終組のプレー。カットラインギリギリで滑り込んだ(撮影/田辺安啓(JJ))

ハワイから始まった3週連続のPGAツアースポット参戦。帯同トレーナーがいないこともあり、「体がバッキバキになりますね。(スイングで)左肩をかばっているのが自分でも分かる。“出たとこ勝負”みたいな」。体が思うように動かないもどかしさを抱えつつ、22歳は懸命だ。「でも、そういう中でも(予選を)通っている人もいると思うし、どういったときでも結果を残せる選手になっていきたいので」

初日「74」と跳ね返された難関サウスコースに再び挑戦するチャンスを得た残り36ホール。「本当に難しいので、思い切ってプレーして、ちょっとでも上に行きたい」と力を込めた。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/亀山泰宏)

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