裸眼3Dシステムで成果 長崎大・高田教授 「高柳健次郎業績賞」受賞

高田英明教授

 裸眼3D表示システムの研究開発に取り組んできた高田英明・長崎大情報データ科学部教授がこのほど、電子工学や情報通信工学などの分野で将来性ある成果を上げた人材に贈られる「高柳健次郎業績賞」を受賞した。
 同賞は世界で初めてブラウン管を用いて電子映像表示に成功した高柳健次郎博士(1899~1990年)にちなむ。電子科学技術振興のため設立された公益財団法人高柳健次郎財団(東京)が毎年公募。本年度は高柳健次郎賞1件、高柳健次郎業績賞2件を選定した。
 高田教授の研究は、人の知覚特性を利用して自然な立体映像を少ないデータ量で提示する技術の開発。同大着任前のNTT勤務時代に、直径120センチの円卓上に360度の立体映像を浮かび上がらせる世界最大級の裸眼3D表示システムを実現した。現在は同大でシステムのシンプル化や高画質化に取り組んでいる。
 高田教授は「過去20年間の地道な頑張りが認められてうれしい。技術と人の知覚特性を協調補完させれば質の高い3D映像を作ることができると信じて取り組んできた」と話している。
 同教授は97年からNTTに勤務、同社サービスエボリューション研究所主幹研究員などを務めた。2020年4月、新設の同学部に教授として着任。現在、同大学長特別補佐・DX推進室長を務める。

裸眼3D表示システムの実験風景=長崎大(高田教授提供)

© 株式会社長崎新聞社