韓国紙「日本国債を機関投資家らが運用対象から除外」「YCC変更は市場に衝撃予想」

韓国の中堅紙イーデイリーは29日、日経新聞の報道を引用し、27日時点の日本国債の9年物金利(0.530%)が同10年物金利(0.475%)を大きく上回ったことを伝え、「一般的に満期が短いほど金利が低くなければならないが逆転現象が現れた」と報じた。

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この逆転現象が起きたのは日本銀行がYCC(Yield Curve Control)政策を展開し、国債買い取りを続けているためだが、今年に入って去る17日までの買取額は17兆1374億円と歴代最大規模に達している。

日本銀行は10年物国債金利変動幅を0%から±0.5%程度と定め、これを越えれば無制限の買い取り金利を下げるYCC政策を展開している。

イーデイリーは、このような日本銀行の大規模な国債買い入れは10年物の流動性枯渇ももたらしているとし、英国ロンドン証券取引所傘下のFTSEラッセルが流動性不足を理由に代表国債指数である「FTSE世界国債指数」(WGBI)から日本国債10年物を種目別で除外し始めたことを伝えた。これに伴って一部の機関投資家も運用対象から日本国債10年物を除外し始めていることもイーデイリーは伝えた。

同じく韓国の中堅紙である文化日報のこの問題を取り上げた記事(29日)のなかで、IMF(国際通貨基金)が日銀にYCCの引き上げを要請したことを取り上げた。IMFはインフレ上昇の危険性を理由に現在0.5%に固定された10年物国債金利の上限を引き上げることを勧告している。

文化日報はこれについて「日本がYCCを廃棄したり、国債金利上限を高めたりした場合、グローバル市場にも衝撃が予想される」と指摘した。

同紙はその理由について「低い金利に失望して自国を離れて海外に向かった日本の莫大な民間資金と、安い円金利でお金を借りて海外に投資した《エンキャリートレード(Yen carry trade)》資金がグローバル資産市場から離脱する可能性があるからだ」と説明している。

同紙は日本が米国の株式や債券を1兆5千億ドル相当保有していることなどを挙げ、「日本の資金は凄まじい」と伝えた。

一方、韓国金融監督院の集計によると、日本人投資家の韓国株式保有数は昨年12月時点で12兆3910億ウォンとなっている。これは外国人投資額の2.1%を占めている。

韓国銀行(中央銀行)は25日に発表した報告書『日本銀行の金融政策決定内容と市場反応』のなかで、「今後、日本銀行の政策方向への期待変化と、これに伴う日本国内外の金融市場反応などに対するモニタリングを強化していくなか、国内資本流出入及び為替レートの動きにも留意する必要がある」と指摘している。

この件について韓国のネットユーザーからは次のようなコメントがみられる。

「日本が金利を上げれば外国に投資した資金が本国に帰るという事だな」
「日本が滅亡することはないから心配するな。韓国をまず心配しろ…」
「日本は海外投資資金が多いから…だから円は基軸通貨の一つなんだ…」
「韓国は文政権のために家計負債が世界最高」
「日本を見ているとゾンビ企業にばかり金をかけているので、不必要なところに金を使うなという教訓を得られるようだ」

以上 コリアエコノミクス編集部

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