宇都宮のファミマでアート展 全国初、障害者の絵画など展示

店内に飾られた自らの作品を見る障害者施設の利用者たち

 コンビニエンスストアのファミリーマート店内に障害者が描いた絵画などを展示するアート展が27日、宇都宮市内の12店舗で一斉に始まった。市と同社の共催で、同社としては全国で初めての試みという。

 同社が地域貢献事業として市に提案し、実現した。作品はそれぞれの店舗に近い障害者施設の利用者が制作することで、展示された自らの作品を見に来やすくなるメリットがある。

 12店舗のうち宇都宮東峰町店では、イートインスペースに宇都宮市下栗町の障害者施設「はーと」の利用者がタブレットで描いた絵画9点などを飾っている。ゴリラがギターを持つリアルな絵は、記憶障害のある男性が1カ月かけて描き上げた。

 腕を上げづらい障害がある森田博(もりたひろし)さん(51)は、同店の店員らが笑顔を向ける絵を描いた。「筆圧がないのでタブレットだと描きやすい。こうして飾ってもらえるとやりがいがある」と笑顔を見せる。

 同社宇都宮営業所の国府田正司(こうだまさし)スーパーバイザーは「地域で暮らす従業員にとっても、仕事のモチベーションになる。地域の方にもぜひ見ていただきたい」と話していた。アート展は2月9日まで。

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