十八親和銀行員が借入金着服 35年間で約1300万円 親族らからカード詐取

 十八親和銀行(長崎市)は30日、64歳男性行員が、親族や知人に契約させたカードローンのカードや通帳をだまし取り、借入金を着服していたと明らかにした。1987年から35年間にわたり、計14人16口座(利用限度額計1760万円)を不正利用していた。発覚時のカードローン残高は計1344万円だった。同行は男性を同日付で懲戒解雇し、県警に通報した。
 同行によると、行員は87年12月から昨年12月までの間、親族や知人に「営業成績につながるので協力してほしい」とカードローン作成を依頼。その後、「解約する」などのうそをついて、契約者本人に届いた専用のカードや通帳をだまし取り、ATMで借り入れをしていた。申込書類の作成に立ち会うなどして暗証番号を入手していた。
 いずれの口座もほぼ上限額まで借り入れ、延滞せずに返済を続けていたため、発覚を免れていたという。知人の1人が別の行員との話の中で身に覚えがないカードローンの利用に気付き、行内の調査で発覚した。
 行員は2011年まで旧十八銀行に勤務。直近11年は旧十八銀やふくおかフィナンシャルグループ(FFG)の子会社に出向していた。借入金は遊興費に使い、発覚後に全額弁済した。十八親和銀行は「信頼回復に向けて、役職員一同、再発防止に取り組んでいく」とコメントした。


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