首相、長男の土産購入を擁護「公務」 もらった河野氏「私が何をと言うのはちょっと避けたい」

衆院予算委で、政務秘書官を巡る答弁資料に目を落とす岸田文雄首相=31日午前

 岸田文雄首相は31日の衆院予算委員会で、政務秘書官を務める長男翔太郎氏が欧米歴訪に同行した際、公用車を使って首相の土産を購入したことは政務秘書官の「公務」だと明言した。野党は「公私混同だ」と批判を強めている。

 立憲民主党の後藤祐一氏(衆院神奈川16区)への答弁で、首相は「政治家としての総理の土産を購入することも政務秘書官の本来業務に含まれ得る。すなわち『公務』である」と説明。購入した土産については「全ての大臣に買った。具体的な内容は控えるが私自身のポケットマネーで買ったことは間違いない」と釈明した。

 後藤氏が「つまりプライベートな土産を買うために、(日本大使館の)公用車を使って(英国の高級百貨店)ハロッズに行ったのか」と問うと、首相は自席で黙ってうなずいた。

 後藤氏が質問しているさなか、首相は蛍光色のマーカーで線を引いた答弁資料を注視していた。ある政府関係者は当初の答弁資料には公務と記されていなかったと示唆し「首相が『公務』としたことを国民に受け入れられるか」と語った。

 河野太郎デジタル相(衆院神奈川15区)や松野博一官房長官ら半数近くの閣僚が同日の閣議後会見などで、首相側から外遊の土産をもらったことを明らかにした。河野氏は土産について「他の閣僚が何をいただいているか分かりませんから、私が何をと言うのはちょっと避けたい」と述べた。

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