『ミスタームーンライト〜1966 ザ・ビートルズ武道館公演 みんなで見た夢〜』、東考育監督と藤本国彦(ビートルズ研究家)が"自由の象徴"であるザ・ビートルズを描いた作品の裏側を語る

ザ・ビートルズのレコードデビューから60年となるタイミングで製作された日本発のドキュメンタリー映画『ミスタームーンライト〜1966 ザ・ビートルズ武道館公演 みんなで見た夢〜』が、ザ・ビートルズファンを中心に大ヒット中。そのトークショー付き上映会が2月1日に都内劇場で行なわれ、監督の東考育と監修の藤本国彦が参加した。 本作では加山雄三、黒柳徹子、奥田民生ら各界の著名人50名以上に取材。多角的にザ・ビートルズ日本武道館公演の裏側に迫る。多くの観客が詰めかけての上映後舞台挨拶の実施に東監督は「感謝しかありません。皆さんに楽しく見てもらえていたら嬉しいです」とニッコリ。公開後の反響を聞かれると「当時20代だった方から『涙が出ました』という反響があったりして意外でした。自分の若かった頃を思い出す方が多くて、見る方が色々な感情を受け取ってくれているのが嬉しい」と喜んだ。 ザ・ビートルズ研究家で監修担当の藤本は、「ザ・ビートルズの海外発の音楽ドキュメンタリーは数あるけれど、日本発のザ・ビートルズのドキュメンタリーにして日本武道館公演をテーマにした内容が映画館で上映されることに意味がある。貴重な証言の数々を2023年に残せることに意義も感じました」と絶賛。また藤本は、ザ・ビートルズがこれだけ様々な世代に愛される理由を聞かれると「曲に馴染みがあること」「音楽の幅が広くて楽曲の良さがあること」「4人の見た目にカッコよさと可愛らしさがあること」「それぞれキャラクターが粒だっていること」「留まるのではなく、どんどん変化していること」「発言にユーモアがあること」「権威的ではないこと」などと立て板に水状態で語り止まらなかった。 一方、東監督はインタビュー取材を振り返り、「話をしてくれる皆さんが本当に楽しそうに喋るし、当時のことを鮮明に覚えている。それに驚きました。ザ・ビートルズとの出会いや経験というのはそれだけ記憶に残ることなのだと思った」と実感。上映時間は102分だが、藤本が「102分を感じさせないスピード感がある。全体の流れの構成も素晴らしいし、インタビュー対象者が生き生きと語っているのも良い」と言うと、東監督は「最初の編集では7時間半ありました。それだけ皆さんの話が面白くて…。いつか7時間半バージョンを見せることができたら嬉しい」と長尺のディレクターズカット版上映に興味を持っていた。 最後に藤本は「ザ・ビートルズに対する当時の熱狂がいかに凄かったのか、証言を含めてそれを今知ることができる映画です。ザ・ビートルズは常に新しいことに挑戦するチャレンジ精神を持っていた人たちで、ファンの熱狂を含めて人を惹きつける力があった。今の時代だってやろうと思えば何でもできるぞ! という思いを受け取って欲しい。10代、20代の若い人たちにも見て欲しいですね」とアピール。東監督も「取材を通して思ったのは、ザ・ビートルズとは自由の象徴だったということ。情熱を持って何かをするのは大事だと思わされたし、その気持ちというのは今の時代でも変わらないはずだと感じました」とザ・ビートルズの熱狂から学びを得ているようだった。

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