埼玉で初めてウズラ鳥インフル感染、日高で14万羽を殺処分 深谷、狭山、行田、宮代など猛威「大変残念」

ウズラ農場で始まった防疫措置の様子=1日午前、日高市内(県提供)

 埼玉県日高市のウズラ農場で1月31日、ウズラが死亡していることが見つかり、県は1日、遺伝子検査の結果、高病原性鳥インフルエンザの陽性が確定したと発表した。県内の農場での確認は深谷、狭山、行田市内に続き今季4例目。農場には採卵、食肉用のウズラ約14万9千羽が飼育されており、同日中に殺処分された。県内のウズラ農場での感染確認は初めて。

 県畜産安全課によると、1月31日午後、農場で32羽のウズラが死亡していることが分かり、川越家畜保健衛生所に、死亡羽数が増えていると通報があった。家畜防疫員が立ち入り検査し、死亡していたウズラ11羽など計13羽を簡易検査したところ、いずれも死亡していた11羽が陽性だった。中央家畜保健衛生所の遺伝子検査で、1日朝までに「H5亜型」と判明し、農林水産省に報告し、高病原性鳥インフルエンザと判定された。

 県は1日午前10時から、対策本部会議をウェブ開催し、対応を決定。飼育しているウズラの殺処分が行われ、埋却や汚染物品の処理・消毒など防疫措置が行われる。農場周辺は家畜伝染病予防法に基づき、半径3キロ内を移動制限区域に、半径10キロ内を搬出制限区域に指定。日高、坂戸、入間市内の計4カ所に消毒ポイントが設置される。

 大野元裕知事は1日朝、埼玉新聞の取材に「大変残念。県内どこでも発生する可能性があり、鳥インフルのシーズンが終わるまで、引き続き高いレベルの防疫措置を講じ、県としてしっかり取り組む」と話した。

 高病原性鳥インフルエンザは今季、国内で猛威を振るっており、農水省によると、確認されるのは今回が71例目。県内の農場では昨年12月に深谷、狭山市内の採卵鶏農場で発生が確認され、今年1月には行田市内のアヒル(アイガモ)農場で発生した。宮代町の東武動物公園でも昨年12月、展示された鳥の感染が確認された。

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