広島市現代美術館が来月、リニューアルオープンします。工事中、さまざまな場所に貸し出されていた作品たちも元の場所に戻り、展示の準備が進んでいます。
コロンビアを代表する芸術家フェルナンド・ボテロ氏の彫刻作品「小さな鳥」です。どっしりした足元にぽってり、ふっくらした姿が特徴で、どこから見てもかわいらしい印象を与える作品です。
広島市現代美術館から県立美術館に貸し出されたのは去年7月。先月29日までロビーで来館者を迎えていました。
出張展示の貸出期間が終わり、この日、いよいよ引っ越しです。作品が傾かないようにバランスをとりながら、台座から下ろされます。2つの美術館の担当者が作業を見守りました。
広島市現代美術館 竹口浩司 学芸担当課長
「わたしたちは非常に(帰りを)心待ちにしていた感じですね。(休館中は)学校(広島市五日市南小学校)であるとか、東京でボテロの展覧会があったので、そこに出張していただいたりとか、いろんな形で見ていただいて」
県立美術館 角田新 主任学芸員
「今回、ゲンビさんと所蔵作品展で協力するということもあって初の取り組みですかね。お客さまからの受けもいいんですよね。かわいらしいのが来た。たいへん楽しく過ごさせていただきました。去るのが惜しいです」
広島市現代美術館 竹口浩司 学芸担当課長
「たまごを生んでくれたらいいねと言っていたんですよ」
県立美術館 角田新 主任学芸員
「ヒナでもいいですよ(笑)」
現代美術館が休館しているおよそ2年間、館外で多くの人と触れ合ってきたボテロの「小さな鳥」。
この日の午後、大型トラックに乗って帰ってきました。重さはおよそ340キロ。新しくなった野外彫刻広場にはクレーンで吊り上げて運び入れる作戦です。
「小さな鳥」は冬の日差しを浴びながら、どっしりと館内の敷地内に降り立ちました。
まだ仮設置ですが、増設されたカフェからながめることができる場所に置かれることになっています。
広島市現代美術館 竹口浩司 学芸担当課長
「今までと変わらず、いろんな人たちをお出迎えする役割を担ってくれるんですけども。かわいいとか、『小さな鳥』なのに大きいねとか、いろんな会話を楽しんでもらえればなと思っています」
広島市現代美術館の開館は3月18日。野外彫刻広場には、コレクション18点を設置する予定だということです。