障スポ支援事業を拡大 育成強化や大会を充実 新年度予算案に9400万円

栃木県庁

 2022年10月に本県で開催された全国障害者スポーツ大会「いちご一会とちぎ大会」(障スポ)を受け、県は3日までに、23年度から選手と支援者らをつなぐアドバイザー事業や、体を動かす楽しさを伝える障害者スポーツスクールの開催事業などを展開する方針を固めた。選手を支えるスポーツマネジメントを推進し、一層の強化育成や裾野拡大を図る。障スポのレガシー(遺産)の継承を目指し、23年度県一般会計当初予算案に約9400万円を計上する見通しだ。

 障スポは22年10月29~31日に、陸上など個人7競技、車いすバスケットボールなど団体7競技を行った。県勢296人は金62、銀41、銅41、過去最多の計144個のメダルを獲得した。

 県の選手育成・強化計画は15年度から始まり、19年度には強化指定選手制度を初めて設けた。手話や要約筆記などボランティアの育成にも力を注いできた。

 レガシー継承推進事業は、大会までのこうした盛り上がりを一過性にせず、将来にわたって継続させる狙い。障スポの魅力を広く発信し、障害への理解促進や共生社会の実現も目指す。

 アドバイザー事業では、県障害者スポーツ協会が運営する人材バンクを拡充する。現在は165人が登録。障スポに参加したボランティアや興味を持った県民らの人材バンクへの登録を推進し、アドバイザーが支援を必要とする選手や競技団体との橋渡し役を担う。

 スポーツスクールは幅広い世代を対象に、初心者も楽しめる内容での開催を想定している。また、毎年9月開催の「県障害者スポーツ大会」は23年度に限って障スポ記念大会とし、競技数を増やすなど内容の充実を計画している。選手らをサポートする手話通訳者や要約筆記者の育成にも、引き続き力を入れる考え。

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