マーロ・エンゲル駆る999号車メルセデスAMG、レコードタイムでポール獲得/バサースト12時間

 2月4日、オーストラリアのマウント・パノラマ・サーキットで、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ第1戦『リキモリ・バサースト12時間』の予選が行われ、マーロ・エンゲルがドライブしたグループMレーシングの999号車メルセデスAMG GT3(エンゲル/ミカエル・グルニエ/ラファエル・マルチェッロ組)がポールポジションを獲得した。

 2022年から1ラウンド増の全5戦で争われる2023年シーズンのIGTC。その開幕ラウンドであるバサーストの決勝は2月5日(日)に行われる。エンゲルは翌日朝にスタートする12時間レースに先立って行われた予選において、2016年にシェーン・ヴァン・ギスバーゲンがマクラーレン720S GT3で記録したレコードタイムを打ち破ってみせた。

 彼は予選Q2セッションで2分01秒0536をマークし、従来のレコードである2分01秒2860をブレイク。これに僚友マルチェッロのベストタイムを合算した4分02秒567が暫定ポールタイムとなり、ふたりのメルセデスAMGワークスドライバーがアタックを決めた999号車AMG GT3はトップ10シュートアウトに暫定首位で駒を進めた。

 上位10台の決勝グリッドを決めるトップ10シュートアウトは、現地16時10分から始まった。ここでは下位5台と上位5台の2グループに分けられ、まずは下位のクルマが15分間のセッション内でタイム計測を開始していく。その後10分のインターバルを置いて行われた上位組のセッションでは、ブロック・フィーニー駆る888号車メルセデスAMG GT3(スーパーチープ・オート・レーシング)が、下位組トップとなった65号車アウディR8 LMSエボII(スポーツベッド・チームMPC)の2分01秒869をコンマ2秒近く上回ってみせる。

 直後にエンゲルがこれを塗り替えると、負けじとフィーニーがタイムを縮め再逆転する。しかし、エンゲルはさらにタイムを更新しふたたびタイムシートのトップに返り咲く。そしてチェッカーラップではポールポジションを確定させる2分00秒881を記録。予選Q2で自身が記録したレコードタイムをさらに更新し、ポールシッターに贈られる“アラン・シモンセン・アワード”を獲得した。

「今日はいい一日だった」と喜びを語ったエンゲル。

「このようなラップでポールポジションを獲得できたことは驚きだった。この予選を全員が無事に走りきったこともね」

「明日の素晴らしいレースを楽しみにしている。それは僕たちのチームにとって大きな卵だ」

 予選2番手は2分01秒0983をマークした888号車メルセデスで、トップとのタイム差は最終的に0.216秒となっている。3番手にはセッション終盤にマット・キャンベルがアタックを決めた912号車ポルシェ911 GT3 R(マンタイ・EMA)が入った。タイムは2分01秒1730だった。

バサースト12時間での新しいレコードタイムを記録したマーロ・エンゲル(グループMレーシング) 2023年IGTC第1戦バサースト12時間
予選3番手の912号車ポルシェ911 GT3 R(マンタイ・EMA) 2023年IGTC第1戦バサースト12時間

■チームWRTのBMWとMPCのアウディが失格

 トップの999号車から約コンマ4秒遅れたジュール・グーノンの75号車メルセデスAMG GT3(サンエナジー1)は総合4番手に。“前半組”首位となった65号車アウディは5番手グリッドから決勝レースをスタートすることになった。6番手以下は46号車BMW M4 GT3(チームWRT)、44号車メルセデスAMG GT3(バルモン・レーシング)、77号車メルセデスAMG GT3(メルセデスAMG・クラフトバンブー)と続くトップ8オーダーとなっている。

 ドリス・ファントールがアタッカーを務め5番手タイムを記録していた32号車BMW M4 GT3(チームWRT)と、マティア・ドルディのドライブで7番手を確保していた74号車アウディR8 LMSエボII(チーム・ベンド・モータースポーツ・パーク/MPC)については、更新されたリザルトシートにおいて、両車ともに失格となったことが記されている。

 BMWはタイヤの空気圧、アウディはパルクフェルメの手順違反がその理由とされているが、現在ところ公式発表はなされていない。

 リキモリ・バサースト12時間の決勝は現地5時45分(日本時間3時45分)にスタートが切られる予定だ。レースの模様はSROモータースポーツ・グループの公式YouTubeチャンネル『GTWorld』で視聴することができる。

■2023年IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ開幕戦バサースト12時間 予選トップ10シュートアウト暫定結果

Pos. No. Class Team Car Time

1 999 PRO グループMレーシング メルセデスAMG GT3 2’00.8819

2 888 PRO スーパーチープ・オート・レーシング メルセデスAMG GT3 2’01.0983

3 912 PRO マンタイ・EMA ポルシェ911 GT3 R 2’01.1730

4 75 PRO サンエナジー1 メルセデスAMG GT3 2’01.2916

5 65 PAM スポーツベット・チームMPC アウディR8 LMSエボII 2’01.8694

6 46 PRO チームWRT BMW M4 GT3 2’02.5083

7 44 SIL バルモン・レーシング メルセデスAMG GT3 2’02.5482

8 77 PRO メルセデスAMG・クラフトバンブー メルセデスAMG GT3 2’03.0311

DSQ 32 PRO チームWRT BMW M4 GT3 2’01.7241

DSQ 74 PRO チーム・ベンド・モータースポーツ・パーク/MPC アウディR8 LMSエボII 2’02.2197

※リザルトは編集部集計

予選後に失格となった32号車BMW M4 GT3(チームWRT) 2023年IGTC第1戦バサースト12時間
予選失格となった74号車アウディR8 LMSエボII(チーム・ベンド・モータースポーツ・パーク/MPC) 2023年IGTC第1戦バサースト12時間

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