トヨタ アルファードは2015年1月にフルモデルチェンジし、発表されました。発売から8年以上経過している中でマイナーチェンジも何度か行われ、いよいよ今年フルモデルチェンジが実施される予定です。今回は現行アルファードの価格や内装、スペックやオススメグレードなどをモータージャーナリストの青山尚暉さんが詳しく解説します。
アルファードのおすすめポイント
1. VIPや芸能人御用達の堂々たる存在感
2. 約390万円から770万円の幅広い価格帯でグレード選びが自由自在
3. 4種類ある2列目席で用途に応じて選べる
4. 大柄なボディながら意外なほど運転がしやすい
アルファードのレビュー・評価
総合評価 4.33 ★★★★☆
良かった点
現在、ハイエンドミニバンを望む一般ユーザーはもちろん、VIPや芸能人などに、プレミアムセダンに代わり、愛用されているのがトヨタ アルファード。
その人気が一気に爆発したのが2018年にマイナーチェンジ。とくにアルファードの顔つきにヴェルファイアを圧倒するほどの堂々感、迫力が備わります。
また、最上級のエグゼクティブラウンジ仕様に待望のエアログレードを新設定。合わせて第二世代のトヨタ・セーフティセンスを全車に標準装備したことが大きいです。
AC100V/1500Wコンセントも付くハイブリッド、ガソリン車を用意します。
そして2列目席はベンチシート、リラックスキャプテンシート、エグゼクティブパワーシート、そして最上級のエグゼクティブラウンジのシートが選べる多彩なラインナップも大きな魅力。エグゼクティブパワーシート以上であれば、まさに誰もがVIP気分で移動できるのです。
ハイブリッドモデルは出足から静かでスムーズに加速。エンジンが始動してもエンジンが発するノイズは今回の吸音材追加で見事に遮断され、たとえエンジンを高回転まで回すようなシーンでも車内は静かに、平和に保たれます。
マイナーチェンジ前に気になった、2列目キャプテンシートのひじ掛けの振動も、マイナーチェンジ以降は低減。移動しながら文字を書くような場面でもまったく問題がなくなりました。
気になった点
トヨタ アルファードに搭載される先進運転支援機能のトヨタ・セーフティセンスは、じつはトヨタ最新のものではありません。
新型(4代目)ノア&ヴォクシーなどにある最先端のトヨタ・チームメイト、、アドバンストドライブなどは未搭載となります。とはいえ、運転手ではなく、後席住人としては、あまり関係ないかもしれませんね。
アルファードの基本スペック表
アルファードのボディサイズ
アルファードの燃費・維持費
アルファード HYBRID Executive Lounge(7人乗り) WLTCモード:14.8km/L 市街地モード:12.6km/L 郊外モード:15.6km/L 高速道路モード:15.4km/L
2.5Lエンジン+2モーターのハイブリッド車は14.8km/L、2.5L直4モデルは10.6~10.8km/L、3.5L V6モデルは9.9~10.2km/Lとなっています(すべてWLTCモード燃費)。
車重2tを超えるアルファードのハイブリッド車で14.8km/Lは立派です。
アルファードの発売日と納期の目安
アルファードは2015年1月に約6年半ぶりのフルモデルチェンジが行われ、現行モデルは3代目となります。また、2018年と2020年にそれぞれマイナーチェンジを行い、商品力を高めていました。
しかし、現行アルファードはすでに購入することができなくなっています。また、トヨタのサブスクリプションサービス「KINTO」でも取り扱いがなくなっています。
いよいよ今年発売が見込まれる新型アルファードですが、2023年2月時点では販売店にも新型車の情報は来ていないようです。今後、新たな情報が入り次第、お伝えしていきます。
アルファードの中古車価格
2015年1月に登場した3代目アルファードはタマ数も多く、2023年2月1日時点で3786台確認されました。中古車価格は217万9000円〜1738万円です(2023年2月1日時点、MOTA調べ)。
現時点では3代目の新車も新型(4代目)の受注予約もできない状況なので、すぐにアルファードが欲しいという方には中古車もおすすめです。
アルファードのおすすめポイント解説
1.VIPや芸能人御用達の堂々たる存在感
2018年のマイナーチェンジでアルファードのフロントグリルがより大きく立派なものになりました。もはや高級サルーンも寄せ付けない迫力の持ち主となり、堂々とした存在感がVIPや芸能人にも好まれているはずです。
2. 約390万円から770万円の幅広い価格帯でグレード選びが自由自在
アルファードの2列目席にはベンチシート、キャプテンシートが4種類用意され、パワーユニットも2.5Lガソリン、3.5L V6ガソリン、そして2.5Lエンジン+2モーターのハイブリッドが用意され、仕様、価格の幅広さも大きな魅力となっています。
3. 4種類ある2列目席で用途に応じて選べる
ミニバンの特等席となる2列目席は子育て世代にも使いやすいベンチシート、比較的リーズナブルな車両価格で手に入る、2-3列目席スルーも可能なリラックスキャプテンシート、そして電動となるエグゼクティブパワーシート、最上級のエグゼクティブラウンジのシートが選べ、用途によって自由自在に最適な1台が選べるようになっています。
4. 大柄なボディながら意外なほど運転がしやすい
アルファードのボディサイズは全長4945~4950mm、全幅1850mmと、とくに全幅は今となってはそれほど幅広ではありません。最小回転半径5.6mの小回り性、駐車性の良さ、運転視界の高さなどによって、運転は見た目の大きさ、立派さよりはるかに楽。一般女性ドライバーでも無理なく運転できるほどです。
外観(エクステリア)
アルファードの人気が一気に高まった理由が、2018年のマイナーチェンジでアルファードのフロントグリルがより大きく、立派に、そして大迫力が与えられたこと。
当時としては、以前は迫力で勝っていたヴェルファイアを凌いだほどでした。
また、ライバルと比べ、フロント周り、サイド、リヤビューともによりスクエアで堂々感あるエクステリアデザインであることも、アルファード人気の大きな要因と思われます。
内装(インテリア)
インテリアはトヨタの高級車も真っ青と言えるほど、豪華。
とくにエグゼクティブパワーシート以上の2列目席では、航空機のビジネスクラスを思わせる世界が広がり、VIPや売れっ子芸能人さえもを満足させてくれること必至。収納、ライティングなども完璧です。
ハイブリッド車ならコーヒーメーカーや簡易電子レンジなどの家電品、ノートパソコンなどが使えるAC100V/1500Wコンセントも備わり、車内が移動する電源付きオフィス、くつろぎルームとしても使えます。
後部座席
大きなスライドドアから乗降できる、スマートな乗降性は、大型セダンでも得られない便利さ。2列目席はどのタイプのシートでもサイズがたっぷりしていて、かけ心地は一般的な自動車用シートとして最上級。
リクライニング角度はリラックスキャプテンシートで83度、エグゼクティブパワーシートとエグゼクティブラウンジのシートで89度となり、後者であればほぼ水平近く倒すことができ、リラックスすることができます。
ちなみに2列目席膝周り空間は意外にも超ロングスライド&中寄スライドが可能なリラックスキャプテンシートが最大(身長172cmのドライバーの背後で最大870mm!! エグゼクティブパワーシートで510mm、エグゼクティブラウンジのシートで460mm)となっています。
なお、エグゼクティブパワーシートは左右のアームレストによって、両肘部分にやや窮屈感があるかも知れませんが、エグゼクティブラウンジのシートと違い、2-3列目席スルーが可能(スルー幅145mm)な点が、現実的には使いやすいと思います。
また、3列目席はミニバン、3列シート車としてもっとも快適かつゆったりと座れるシート、空間に仕上がっています。アルファードをファミリーユースとして使う場合、3列目席は決して”ハズレ”席ではないということです。
安全装備
アルファードの先進運転支援機能は、ちょっと前のトヨタ・セーフティセンスが搭載されています。衝突軽減ブレーキ=プリクラッシュセーフティは昼夜の歩行者、昼の自転車運転者に対応。
ACC=レーダークルーズコントロール、レーントレーシングアシスト、アダプティブハイビームなどが揃っていますが、ブラインドスポットモニターはグレード別装備となります。
ただし、新型ノア&ヴォクシーなどに用意される交差点衝突回避支援、フロントクロストラフィックアラート、緊急時操舵支援、歩行者の飛び出しなどを先読みし、運転操作をサポートしてくれるほか、先行車やカーブを認識し、レーダークルーズコントロール=ACCを使わずとも、自動減速まで行ってくれるプロアクティブドライビングアシストが搭載されていません。
また、スマホによる自動駐車、出庫支援が可能になるだけでなく、自動車専用道路(高速道路)の同一車線において、レーダークルーズコントロールとレーントレーシングアシスト作動時限定で、時速約0-40kmの速度域においてなんと自動運転レベル2に相当するハンズオフドライブを可能にしてくれるトヨタ・チームメイトなども未採用となります。
新型アルファードのおすすめグレード
価格対内容で注目すべきは、2.5L NAエンジンを積むガソリン車のエアロ仕様、S“C”パッケージ。現在の価格は2WD 7人乗りで468万1600円。
同2.5Lエンジン搭載のアルファード最廉価モデルとなるX 2WD 8人乗りの359万7000円に対して約108万円高、ガソリン車のハイエンドモデルである3.5L V6エンジン搭載のエグゼクティブラウンジS 2WD 7人乗りと比較すれば約274万円安いグレードとなります。
しかも、豪華な2列目席エグゼクティブパワーシートを備え、タイヤ&ホイールサイズは3.5L V6エンジンを積むSCと同じサイズ、デザインの235/50R18、18×7J(切削光輝・ブラック塗装)となって足元を引き締めてくれます(乗り心地重視ならメーカーオプションとしてインチダウンも可能)。
これまたSCと同じ専用エアロパーツも装着されるのです。
さらに3眼LEDヘッドランプ(ブラックエクステンション)、LEDシーケンシャルターンランプ、LEDコーナリングライト、UVカット&撥水機能付きウインドウ、後席用サンシェード、運転席8ウェイパワーシートなどまで、エグゼクティブラウンジSと変わらない装備が手に入ります。
新型アルファードのカラーバリエーション
新型アルファードはこんな人におすすめ
1. 3列シートミニバンが必要で、とにかくハイエンドなモデルに乗りたい人
2. 仕事で、後席(2列目席)に大切な人を乗せ、最上の乗車気分を味わってもらいたいケース
3. 3列目席までしっかり使いたいファミリーユーザー(最大6人乗車推奨)
【筆者:青山 尚暉 カメラマン:MOTA編集部】