吉岡里帆さん、主演女優賞 映画「島守の塔」で熱演 ヨコハマ映画祭

 映画ファンが主催する「第44回ヨコハマ映画祭」が5日、横浜市の関内ホールで3年ぶりに開かれ、俳優の吉岡里帆(よしおかりほ)さんが主演女優賞に輝いた。太平洋戦争末期の沖縄県警察部長荒井退造(あらいたいぞう)(宇都宮市出身)らを描いた作品「島守の塔」などでの好演が評価された。

 島守の塔は本県では8月上旬から約2カ月半、公開された。吉岡さんは、戦時下の沖縄県知事に仕える県職員役を演じた。映画「ハケンアニメ!」での演技も評価された。主演女優賞は、映画「PLAN 75」の倍賞千恵子(ばいしょうちえこ)さんとのダブル受賞。

 表彰式に白のノースリーブドレス姿で登場した吉岡さんは「素晴らしい賞をありがとうございます。両方とも大切で、自分にとって人生が変わるような作品。長い時間をかけて撮影した映画や思いが、皆さんの元に届いたことを賞から感じた」とスピーチした。

 島守の塔で砂まみれになって熱演したことなどを振り返りながら、役作りについて「自分を前面に出すのは得意ではない。役の思いの強さに背中を押される。大勢で作る中で、その一部の役割を全うすることを大切にしている」と語った。

 

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