フットサルFリーグ1部の最終戦が行われた。最下位とは勝ち点1差で11位のバサジィ大分は、勝てば残留が確定。だが、引き分けもしくは負ければボアルース長野の結果次第で2部との入れ替え戦の可能性が出てくる。大一番を前にホームには多くのファン、サポーターが駆けつけた。
大きな期待に後押しされ、大分は猛然とゴールを襲った。みなぎる闘争心を糧にコートを疾走し、王者・名古屋オーシャンズに攻撃を畳み掛けた。しかし、その攻めは一本調子だった。時間が経つにつれて名古屋がボールをつなぎ、優位に試合を進めるようになると、前半終了間際に失点する。小門勇太は「嫌な時間に失点して、(気持ちを切り替えられず)ズルズルとプレーした。今季を物語っていた」と悔やむ。
試合巧者の名古屋は大分の不穏な空気を見逃さなかった。後半の早い時間帯に追加点を奪い、同5分にはGKが自陣からボールを運んで攻撃に参加、最後には強烈なシュートをゴールに突き刺し、試合を決定づけた。
長期離脱で前節から試合に復帰したキャプテンの仁部屋和弘は「失点の時間が良くなかった。試合を読み、コントロールできなかった。実力はどのチームも変わらないと思っているが、細部のこだわりが勝負を分ける。今季の大分にはそれがなかった」と冷静に振り返った。
結果、長野が敗れて入れ替え戦を回避できたが、多くの課題が残った。今季はリーグ序盤に勝てず、チームの方向性が定まらず一体感に欠けた苦しいシーズンとなった。シーズン途中から指揮した狩野新監督は、「選手のメンタルをコントロールできなかった。戦術も選手に合ったものを提示できなかった」と話し、今季最後の公式戦となる全日本選手権(3月11日開幕)に向けて、「課題は明確。強いバサジィを取り戻したい」と復活への強い思いを示した。
(柚野真也)