福井県2023年度当初予算案、北陸新幹線や物価対策に力 骨格予算で一般会計4860億円

福井県庁=福井市大手3丁目

 福井県は2月6日、2023年度当初予算案を発表した。一般会計は4860億6600万円。春に知事選を控えているため、政策的な経費を絞り込んだ骨格予算となり、前年度当初予算比で4.9%(251億円)減となった。一方で、年度当初から切れ目なく事業展開するため、22年度2月補正予算案と一体的に編成し、来年春に迎える北陸新幹線県内開業の受け入れ準備やプロモーション事業などに計313億円、物価高騰対策に15億円を計上。骨格予算としては1999年度の5013億円に次ぐ過去2番目の規模に膨らんだ。8日開会の定例県議会に提案する。

 杉本達治知事は6日の会見で「骨格予算ではあるが、北陸新幹線開業への準備は年度当初から掛からないと間に合わない。県民生活に関わる物価高騰対策は機を逸することがないようにする」と述べ、国の補正予算も積極的に取り込んだ結果、予算規模が膨らんだとした。

 北陸新幹線開業対策では首都圏でのプロモーション・誘客促進に59億9100万円(25事業)、おもてなし・県内機運醸成などに204億3700万円(38事業)、地域鉄道の支援や観光地の磨き上げなど関連事業に49億円(54事業)の計117事業、313億2800万円を盛り込んだ。

 新幹線開業に伴いJR西日本から経営分離される並行在来線(現北陸線)の支援として、鉄道資産・車両の取得や設備整備に97億4800万円を充てた。

 歳入の柱となる県税収入は、製造業の業績改善を受けた法人2税(法人県民税、法人事業税)の伸びが23年度も維持されるとみて、年間で過去最大の1322億円を見込む。このうち当初予算案に1262億円(前年度比16億円増)を計上、残り60億円を6月補正予算案の財源として確保する。

 借金に当たる県債は、北陸新幹線建設事業の減少により、後年度に地方交付税で全額措置される臨時財政対策債(臨財債)を含めて206億円減の485億円を発行。臨財債を除いた県債残高は22年度末で5390億円となり、行革プランの目標をクリアする。

 22年度2月補正予算案は事業費の確定に伴う減額補正もあり、一般会計は272億6200万円減。補正後の総額は前年度同期比10%減の5673億8200万円となる。

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