ステルス2 HD ドライバーを西川みさとが試打「『D』が強く『H』弱め」

2代目ハイドロータイプ HS30m/s台の女子プロ評価は!?

「60層カーボンツイストフェース」を世に送り出してから一年。テーラーメイドが掲げる“カーボンウッドの新時代”をさらに加速するべく開発された『ステルス2』シリーズは、ヘッド全体のカーボン容量をさらに拡大し、前作以上の慣性モーメントを向上させた。そんな時代の先端を走る2代目シリーズのハイドローモデル「ステルス2 HD ドライバー」を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「ややフック気味… 選ぶならスタンダード」

打ち出し角は高め(平均15.2度)だが スピン量少なめ(1886rpm)のため低弾道のイメージに

―率直な印象は?
「ボールのつかまり感がやや強く、ドローがフック回転気味になってしまいました。『HD』の『D(ドロー)』要素が強く、『H(ハイ)』要素である高さが出ていない印象。前作『ステルス』シリーズで受けた、つかまりにくいイメージからはだいぶ変化し、やさしく、つかまりやすいクラブに変わっていると思いますが、少しその度合いは強く感じられます」

シリーズ最大の安定性とビッグキャリーが望める“ハイドローバイアス設計”

―つかまり感が強過ぎる…?
「左に巻くようなサイドスピンが比較的多く、横回転が強めにかかっていた印象です。可能であれば、もう少しバックスピン量を増やし、上に上がってくれたらいいなと思いました。その点、スタンダードモデル『ステルス2 ドライバー』は、ちょうどいい高さに上がっていたので、私が選ぶならスタンダード『ステルス2』かなと思います」

前作よりフェース面を2g軽くしたことで相対的に比重がヘッド後方へ

―カーボンフェースの打感は変わらない?
「それほど変わっていないと思います。ただ、プレーヤーが感じる印象としては、慣れの部分が大きいかもしれませんが、前作で感じたカーボンフェース特有のやわらか過ぎる感触は、少し薄れた気がします。やわらかさを感じなくなったわけではないですが、チタンフェースに慣れている人でも違和感を覚えない、しっかりした打感が残ります

ソール後方に搭載された30gタングステンウエイト

―前作シリーズと比べてそれほど変わった?
「前作では、私にとってスタンダードモデル『ステルス』が難しく、『ステルス HD』の一択だけという関係性でしたが、今作『2』では、スタンダードモデルと『HD』は、どちらも選択肢に入るため、いい意味で悩める2モデルになった印象です。お互いの特性が大きくかけ離れてはいないのですが、どちらも扱いやすくやさしく進化したことで、私のHS(平均35~36m/s)でもちゃんと違いが把握できます」

左がスタンダード、右がHD。ヒール側がやや膨らみトウ側の逃げ感がやや弱め

―他社と比べても、つかまり具合は強い?
「うーん、そうですね…。『D』要素が強いと言っても、あくまでも『ステルス2』というツアーモデル内での話です。他社の大型軽量モデル(ダンロップ『ゼクシオ』、ヤマハ『インプレス』など)のつかまり具合と比べれば、それほどのドローバイアスの強さは感じません。見た目に関しても、安心感は持てますが、それはスタンダードと比べての話。『HD』の方がヒール側がやや膨らみが付いていて、つかまりやすそうで、やさしさを感じられる顔立ちではありますが、シルエットはほぼ同じで、あとは好みで選べばいいと思えるほどの微差です」

「スタンダードと比べて若干閉じてくる動きが大きい。ただ、それも好みの差」と西川

―どのような人向き?
「現在ツアーモデルを使用している人で、最近つかまりがちょっと悪く感じていた人、また今後もっとしっかりつかまえていきたい人向き。『HD』=ハイドロータイプですが、ツアーモデル内でのつかまり感の良さの表現なため、すごくスライスで悩んでいる人向きかと聞かれると、どうかな? っというレベルではあります。ただ、前作の『HD』より断然やさしく、右へのミスを防いでくれるため、助けてもらえるゴルファーは以前より多くなったと思います」

スタンダード評(4.4点)よりやや低評価【総合評価4.1点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:TENSEI RED TM50(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン