県内外の義足利用者ら、世代超えスポーツで交流 熊本のクラブが長崎で企画

サッカーに汗を流す参加者=長崎市、深堀体育館

 熊本県を中心に活動する義足利用者らのスポーツクラブ「FIREBLADES(ファイヤーブレーズ)」が4日、長崎市深堀町5丁目の深堀体育館で交流会を開いた。県内外から集まった14人とともに、保育園児から70代までの幅広い世代がさまざまなスポーツを楽しみながら汗を流した。
 同クラブは、熊本総合医療リハビリテーション学院(熊本市)の義肢装具学科が母体。義足利用者の交流やスポーツ用義足を体験する場が九州になく、同科の主任講師、笹川友彦さん(52)らが2018年に設立した。義肢装具士や理学療法士らがサポートし、2カ月に1回、熊本県や九州内で活動している。
 交流会では同クラブが用意したスポーツ用の義足を使い、運動やストレッチ、トレーニングを体験。笹川さんは「日常使わない筋肉などを使い、義足でバランスよく歩いたり、走ったりするきっかけにしてほしい」と話した。
 このほか、義足利用者らは歩行練習やサッカー、縄跳びなどにも取り組んだ。設立当初からほとんどの交流会に参加する森田悠月君(14)=市立土井首中2年=は「みんなで集まってサッカーができて楽しかった」と笑顔で話した。
 本県で2回目となる交流会。義肢装具利用者や保護者、義肢装具士同士が情報交換したり、気軽に話をしたりできるコミュニティーづくりにもつながっている。「みんなで楽しんで汗をかける場であることが大切」と笹川さん。「リハビリで歩けるようになるのがゴールではなく、その先のいろんな楽しみを知るきっかけになれば」。


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