栃木県日光市鬼怒川温泉滝の民家が全焼した火災で、取り残された家人を救出した同所、須永和安(すながかずやす)さん(79)に対し、粉川昭一(こなかわしょういち)市長は3日、藤原消防署で感謝状を贈呈した。
火災は昨年12月1日午後5時ごろに発生。夕食時に外が明るいのに気付いた須永さんが表に出てみると、向かいの木造2階建て民家が激しく燃えていたという。
玄関や窓のガラスは既に割れており、その隙間からこの家に1人で住む男性(85)が玄関付近で倒れているのを発見。急いで駆け寄り、倒れている男性を引っ張り出し、安全な場所まで運んだ。男性は軽いやけどを負ったが、命に別条はなかった。
贈呈式で粉川市長は「とっさの判断で命を救ってもらった。危険を顧みない行動は簡単なものではなく、市長として感謝します」とお礼を述べた。
須永さんは「何かを考える余裕はなかった。とにかく顔がものすごく熱かったのは覚えている。あと2、3分遅かったら大変なことになっていたかもしれない」と当時を振り返った。