米軍オスプレイ不具合、原因未特定でも「飛行停止求めない」 浜田防衛相、対処訓練実施を理由に

 【東京】垂直離着陸輸送機V22オスプレイでクラッチ関連の不具合が起きやすい問題で、浜田靖一防衛相は7日の会見で、米軍が不具合をシミュレーター(模擬飛行装置)に反映させて対処訓練していることなどを理由に、「(飛行を再開しても)停止などの措置を米側に求めることは考えていない」と答えた。不具合の原因は不明なまま、運用継続を追認する姿勢を示した格好だ。
▼オスプレイ部品交換、沖縄配備機も対象か
 米国防総省は4日、一定の飛行時間に達したオスプレイを対象にクラッチ関連の部品を交換するとし、それまでの間は飛行を制限する方針を示した。防衛省は普天間飛行場所属機が交換対象に当たるのかについて、「米軍の運用体制に関することなので答えるのが難しい」として明らかにしていないが、7日午後5時現在、普天間飛行場のオスプレイは飛んでおらず、部品交換に備えて飛行を止めている可能性がある。
 会見で浜田氏は、部品を交換しても、原因が特定されるまで飛行を停止する必要があるのではないかとの質問に対し、「飛行停止などの措置を米側に求めることは考えていない」と述べた。米軍がシミュレーター訓練を実施していることなどを挙げ「(その現象が発生しても)深刻なトラブルを起こすことなく、安全に運用できる手順が確立されている」などと説明した。
 航空評論家の青木謙知氏は昨年からクラッチ関連の不具合が続いていることに「部品の交換など、必要なことをきちんとやってもらうことが第一だ」と指摘した。
(明真南斗、知念征尚)
 
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