足利学校など教育史跡を世界遺産へ 4市が文化庁に要望

鈴木文化戦略官(右から2人目)に要望書を提出した須藤教育長(左端)ら

 足利市や水戸市など4市でつくる「教育遺産世界遺産登録推進協議会」は7日、各市の教育史跡を一体的に世界文化遺産へ登録するため、登録の前提となる国の「暫定一覧表」に追加するよう、文化庁に要望した。

 同協議会は、日本最古の学校として知られる足利学校をはじめ、水戸市の弘道館・偕楽園、岡山県備前市の閑谷(しずたに)学校、大分県日田市の咸宜園(かんぎえん)・豆田町を、江戸時代を中心とする「近世日本の教育遺産群」とし、世界遺産登録に向けて連携している。

 要望は3回目。要望書では「身分に関係なく人々が学ぶことができた環境は、ユネスコ憲章にも合致する」などと訴えた。史跡調査・研究の成果をまとめた提案書の英訳版も提出した。

 文化庁は暫定一覧表について、世界基準での学術的価値や、持続可能な保存・活用の視点から見直すこととしている。応対した同庁の鈴木敏之(すずきとしゆき)文化戦略官は「提案書の英訳版は、海外の専門家を交えて評価する中で意義がある」と述べた。

 足利市の須藤秀幸(すとうひでゆき)教育長は「無形である教育の価値と魅力を国内外に発信することで、先人が培ったものを守り、後世に引き継ぎたい」と話した。

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