“10年先の長崎県” 目指す姿は? 有識者懇で多様な意見 他県と差別化・女性活躍・外国人材受け入れ…

本県の目指すべき姿について意見を交わした有識者懇話会=県庁

 10年先の本県が目指すべき姿を示すビジョン策定に向けた有識者懇話会が8日、県庁で初めて開かれた。委員からは、本県の多様性を磨いて他県との差別化を図る必要性や女性が活躍しやすい社会づくり、優秀な外国人材の積極受け入れなどさまざまな意見が挙がった。
 ビジョンは、大石賢吾知事が掲げる「新しい長崎県づくり」の方向性を具体的に示し、県民と思いを共有しながら実現を目指していく狙い。9月をめどに策定予定。
 懇話会には教育、産業、金融など各分野から14人が出席(オンライン含む)。委員の一人は、コロナ禍で地方への関心が高まったが、再び東京への一極集中の傾向が強まっている現状に触れ「長崎県に住めばどういう生活、人生を送れるか(明確な)メッセージを出すべき」と要望。若い世代がチャレンジする機会が不足しているとし、資金面も含めた支援強化も求めた。
 別の委員は「こんな長崎にしたいという県職員の熱い思いをもっと(県民に)訴えてほしい。せっかく『新しい長崎』を掲げても本気度がなければ変わらない」と厳しい指摘もあった。
 懇話会は7月までにあと2回開く予定。県は、懇話会以外に若い世代などにも意見を聞きながらビジョンをまとめる。新型コロナウイルスの影響などで一部を見直す県総合計画(2021年度~25年度)にも反映させる。


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