IMSA公認セブリングテストに26台が参加へ。GT3の新型3車種はBoP変更でパワー獲得

 アメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで来週行われるIMSA公認テストに、ウェザーテック・スポーツカー選手権の参加車両から計26台エントリーしている。このテストに向けては、2023年に登場した新型GT3マシンを対象に新しいBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)の調整値が設定される予定だ。

 第2戦の舞台でもあるセブリングで行われる2日間のテストは、各チームが任意で参加・不参加を決定できるもの。前戦デイトナでデビューしたGTPクラスからは、フルシーズンエントリーの8台の内7台が参加予定となっている。唯一の不参加はBMW MチームRLLの1台で、同チームはもう一台のBMW MハイブリッドV8と、フルシーズンドライバーのコナー・デ・フィリッピ、ニック・イェロリー、フィリップ・エング、アウグスト・ファーフスの計4名でエントリーした。

 チップ・ガナッシ・レーシング(CGR)は、開幕戦デイトナ24時間で01号車キャデラックV-LMDhとWEC世界耐久選手権用の新型LMDhマシンを02号車として走らせた後、セブリングテストにランガー・バン・デル・ザンデとセバスチャン・ブルデーに、第3ドライバーのスコット・ディクソンを加えた01号車のトリオを参加させる。

 一方、同じくキャデラック陣営のアクション・エクスプレス・レーシング(AXR)では、ピポ・デラーニ、アレキサンダー・シムズ、ジャック・エイトケンの3名が31号車キャデラックV-LMDhのステアリングを握る。

 ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ(PPM)は2台とも参加し、デーン・キャメロンとマイケル・クリステンセンが、6号車ポルシェ936のニック・タンディ/マシュー・ジャミネ組と、7号車ポルシェ936のマット・キャンベル/フェリペ・ナッセ組に合流予定となっている。

 ミシュラン・エンデュランスカップドライバーのルイ・デレトラズは、リッキー・テイラーとフィリペ・アルブカーキとともにウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドロッティ・オートスポートの10号車アキュラARX-06に合流するが、デイトナ24時間で連覇を果たしたメイヤー・シャンク・レーシングは、フルシーズンのドライバーのトム・ブロムクビストとコリン・ブラウンのみ参加予定だ。

 LMP2クラスでは、TDSレーシング、エラ・モータースポーツ、PR1/マティアセン・モータースポーツから各1台、合計3台のオレカ07・ギブソンが出走する。LMP3は来月のセブリング12時間でシリーズデビューを果たすアヴェ・モータースポーツの1台のみ。ドライバーはトニー・アヴェとセス・ルーカスが務める。

 GTDプロとGTDは、ケリーモス・ウィズ・ライリーとAOレーシングの新型ポルシェ911 GT3 Rをはじめ、トリアルシ・コンペティツィオーネのフェラーリ296 GT3、アイアン・リンクスとアイアン・デイムス、フォルテ・レーシング・パワード・バイ・USRTのランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2など計15台のGT3カーがエントリーしている。

■GTPの最大出力が520kWに上昇

 8日(水)に発表されたテクニカル・ブルテンによると、新車またはアップデートされたポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニの新型モデルはすべて、セブリングテストに向けてパワーアップを受ける。

 自然吸気エンジンのタイプ992型911 GT3 RとウラカンGT3エボ2はエアリストリクターが1mm大きくなり、ターボ車の296 GT3はブースト圧がわずかに上昇した。一方、デイトナ以降GTDプロ/GTDクラスを対象にした他のBoP調整は行われていない。

 アキュラ、キャデラック、ポルシェ、BMWが覇を争うGTPではパワーリミットが500kWから520kW(679PSから707PS)に引き上げられ、LMDh4メーカー全体で最大スティントエネルギーが10MJ追加されることになった。各車のデビュー戦となったデイトナ大会と同様に、GTPクラスの4つのモデルは開幕時と変わらないエンジンの最大回転数を除いて、すべて同じBoP数値でテストに臨むことになる。

 LMP2勢もデイトナと同じ条件で走行するが、IMSAのテクニカルディレクターであるマット・クルドックは以前Sportscar365に対し、従来のロードコースでのクラスの階層化を評価するためにこのテストを利用すると語っている。

 全クラスのBoPは3月の第3週、セブリングのレースウイーク前に変更される可能性がある。

MDKモータースポーツの53号車ポルシェ911 GT3 Rと、アイアン・デイムスの83号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2

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