<新型コロナ>学級閉鎖…埼玉1359人感染14人死亡 知事が卒業式マスクなし歓迎の理由「混乱回避を」

埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

 埼玉県は9日、新型コロナウイルスに感染していた14人が死亡し、新たに0~90歳以上の1359人の感染を確認したと発表した。感染者は7日連続で2千人を下回った。内訳は県管轄が926人、さいたま市196人、川口市105人、川越市59人、越谷市73人。

 これまでに確認された感染者は177万3593人。死者は3711人。8日夜時点の重症者は17人、入院は870人、宿泊療養は204人。

 県によると県管轄では70~100歳代の男女11人が死亡した。川越市では70、80代の男性2人、越谷市では90代以上の女性1人が死亡した。

 クラスター(感染者集団)関連は19件で、新たに医療機関と高齢者施設2カ所で6~16人が感染した。

 県教育局によると、県立学校1校で児童生徒1人が感染し、他にも体調不良者がいたため学級閉鎖を実施した。

■文科省、卒業式マスクなし容認へ 大野知事「科学的な裏付けを」

 卒業式などでのマスク着用について、大野元裕埼玉県知事は7日の会見で「統一的に文部科学省で具体的検討を進めると聞いており、学校現場に混乱が生じることなく、考え方を科学的、裏付けに基づき示していただきたい」と話し、まずは国が基準を示すべきとの考えを述べた。

 卒業式でのマスク着用を巡っては、永岡桂子文科相が2日の予算委員会で「マスクを外すと家庭で決めた人は外しての参加になろうかと思う」と表明。3日には「着用は個人の判断に委ねることを基本として検討するという政府方針に沿って答えた」と述べた。

 大野知事は「マスクの着用、非着用については、科学的な裏付けに基づき、原則不要となるのであれば、それは大変歓迎したい」と説明。「卒業式、入学式は子どもたちにとっては、晴れの舞台であり、一生の思い出となる。本来であれば、子どもたちの笑顔がはっきりと見える、うかがえる、そんな環境で迎えることが望ましい」と述べた。

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