TGR TEAM SARD、エンジニアリング強化でさらなる浮上目指す「ドライバーとチームが輝けるよう」

 2月8〜9日、岡山県の岡山国際サーキットで、スーパーGT GT500クラスに参戦する10台の車両が参加してのメーカーテストが行われた。このうち、トヨタGRスープラ勢では3台が2023年に入って初のテストとなったが、TGR TEAM SARDの関口雄飛/中山雄一組39号車GRスープラは、チーム体制を強化して臨むシーズンに向け有意義なテストとなったようだ。

 2022年、前年チャンピオンの関口が加入し、大きな話題となったTGR TEAM SARD。脇阪寿一監督のもと古豪復活を目指しシーズンを戦ったが、第5戦鈴鹿で3位表彰台を獲得し8戦中6戦でポイント獲得を果たしたものの、ランキングは8位。タイトル争いには絡めないシーズンとなった。

 迎える2023年は寿一監督、そして関口と中山のコンビを継続して臨むが、チームはエンジニアリング面で強化が図られた。スーパーフォーミュラで関口のトラックエンジニアを務めていた柏木良仁エンジニアがフリーランスとなったことから、チームに招聘することになったのだ。

 TGR TEAM SARDは寿一監督が進めてきた戦い方として“全員野球”を掲げることから、中山は「チームみんなで考えるベースがあったので、ひとり変わるだけでガラッと変わるような体制ではないんです」と言うが、今回のテストで確実に変化を感じているという。

「より経験があるエンジニアが入ってくれたことで、チームとしての動きはかなり良くなっています。ピットに入ってから、出ていくまでのスピードが確実に速くなっています。またちょっとしたミスがない。今起きている問題に対し右に行くか、左に行くかは、今回のテストでは間違いがなかった。遠回りしなくて済む気がします」と中山は語る。

 また、関口も長年スーパーフォーミュラで組んでいたエンジニアだけに「もちろんそこにアドバンテージはあると思います」という。今回はタイヤテストがメインとなり「セットアップに時間はあまり使えていないのですが、その中でも新しいトライをしています。それが良い方向にいくのではないかと感じています」と手ごたえを感じている。

 そんな変化とともに挑むシーズンへ向け、関口は「去年よりも必ず上のランキングは獲りたいですし、昨年1勝することができませんでしたので、今年は優勝、そしてランキングとふたつを目標にしていきたいですね」と意気込む。

 また中山も「シリーズとしてはニッサンが速くなり、拮抗した戦いでチャンピオンシップのレベルが上がっていると感じています。僕たちもしっかりレベルアップしなければその中で良い戦いができないですし、その中で強力なエンジニアさんが入ってくれたました」と目標を語った。

「今季は自信をもってレースで攻められるクルマを作ることが課題だと思っているのですが、初日走ったところではロングランのタイムが良く、少し改善できた感触があります。今季は攻めて、ひとつでも順位を上げたいですし、トヨタ勢のトップを獲りたいと思います」

 そして、2020年からチームを牽引する脇阪監督も「今年はひとつギアを上げてやらせてもらいます」と力強いコメントを残した。

「エンジニアリングも強化できましたし、なんとかドライバーふたりとチームが輝けるように、成績にこだわってしっかりとやっていきたいと思います」

2023年スーパーGT岡山メーカーテスト TGR TEAM SARDの39号車GRスープラ
2022年スーパーフォーミュラ第1大会富士 関口雄飛と話し込む柏木良仁エンジニア

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