【第2四半期決算】一正蒲鉾(新潟市東区)が増収減益、コスト上昇で「経営環境はかつてない厳しさ」

一正蒲鉾本社(新潟市東区)

一正蒲鉾株式会社(新潟市東区)は10日、2023年6月期第2四半期決算(連結)を発表した。

売上高は180億8,000万円(前年同期比2.8%増)、営業利益は3億1,100万円(同60.0%減)、経常利益は3億6,600万円(同55.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億5,000万円(同44.4%減)となった。(百万円未満切り捨て)

ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、米国FRBの政策金利引上げによる日米金利差の拡大や日本の貿易赤字などを背景とした急激な円安の影響などにより、すり身をはじめとした原材料価格や電気ガス等エネルギー価格の高騰に加え、人手不足を背景とした人件費の増加など、多くのコストが想定をはるかに超えて上昇しており、同社グループを取り巻く経営環境はかつてない厳しさとなっているという。

セグメント別の事業概況は以下の通り。

水産練製品・惣菜事業

売上は、2022年9月1日納品分より水産練製品・惣菜類において約5%から20%の価格改定を行っていることと、主力製品群のカニかまやおでん商材は堅調な販売推移となったことから、前年同四半期を上回った。年末のおせち商品は、主原料・副材料のすべてが国産の「純」シリーズの伊達巻や蒲鉾の売上が伸長した。

利益は、主原料であるすり身をはじめとした原材料価格の高騰が続いており、ウクライナ情勢や急激な円安などによる影響でエネルギーコストや油脂類、包装資材といった様々なコストも上昇したことから、前年同四半期を下回る結果となった。

このような厳しいコスト環境を背景として、2023年3月1日納品分より水産練製品・惣菜類において約5%から15%の価格改定を行う予定。

以上の結果、当セグメントの売上高は157億3,300万円(前年同四半期比5億2,700万円(3.5%の増加)、セグメント利益(営業利益)は1億1,900万円(前年同四半期はセグメント利益(営業利益)3億6,000万円)となった。

きのこ事業

野菜市況は前年を上回り、きのこ市況に関しても前年を上回る推移でしたが、舞茸については、他社増産の影響による供給過多状態もあり軟調な推移となった。生産は、安定栽培や生産の効率化、品質管理体制の強化に努めるとともに、販売は、大容量商品や新発売の「希なり」の提案、外食・業務用筋への提案拡大により、消費喚起・販売強化に努めた。

以上の結果、当セグメントの売上高は21億1,100万円(前年同四半期比1,500万円(0.7%の減少)、セグメント利益(営業利益)は1億3,300万円(前年同四半期はセグメント利益(営業利益)3億8,800万円)となった。

その他(運送事業・倉庫事業)

運送事業は、主に気象影響による輸入青果物の取扱数量の減少および定期輸送便の一部終了により、売上は前年同四半期を下回りましたが、燃料費価格の上昇がみられたもののコスト削減に向けた固定費の縮減により、利益は前年同四半期を上回る結果となった。

倉庫事業は、コロナ禍による荷動きの停滞がみられたものの高い在庫水準を維持し、収益性の改善に向けた庫内管理の最適化を着実に推し進めた結果、売上、利益ともに前年同四半期を上回った。

以上の結果、報告セグメントに含まれないその他の売上高は2億3,600万円(前年同四半期比2,500百万円(9.6%の減少)、セグメント利益(営業利益)は5,400万円、前年同四半期はセグメント利益(営業利益)2,200万円)となった。

通期連結業績予想の修正

2023年6月期通期(2022 年7月11 日~2023 年6月30 日)の連結業績予想について修正した。

売上高は前回発表予想より14億円減の340億円、営業利益は前回発表予想より8億円減の5億円、経常利益は前回発表予想より8億円減の5億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前回発表予想より3億8,000万円減の4億7,000万円、1株当たり当期利益は前回発表予想46.25円に対し、25.57円に修正した。

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