「警察官のシライと申します…」信じないで、その電話は詐欺! 実際の音声データを聞くと…

特殊詐欺の被害が、再び増加傾向だといいます。広島県警は、実際にかかってきた詐欺の電話の音声データを公開しました。こちらをお聞きください。

「もしもし、こちら安佐南警察、生活安全課のシライと申します」

電話してきたのは、警察官「シライ」を名乗る女。去年11月、広島市安佐南区に住む70代の男性の自宅に、実際にかかってきた電話の音声です。

ニセ警察官 シライ
「先日、空き巣と詐欺の事件があったんですね、事件があって、男を2人逮捕しているんです。名前が(…)38歳と、もう1人が(…)41歳で銀行の職員ということがわかっているんです。この名前にお心あたりはなかったですか」

自分が警察官だと信じさせるようにしていますが、まっ赤なニセモノです。

女は、男性に対し「詐欺事件に、あなたの銀行口座が巻き込まれた可能性がある」と不安をあおり、男性から口座やキャッシュカードの情報を聞き出そうとしていたとみられます。

ニセ警察官 シライ
「ご家族の方にも知っているか確認したいので、在宅でしたらお代わりいただけますか?」

男性が家族に代ろうとすると…。

ニセ警察官 シライ
「あ、ではお代わりいただけますかね?…(電話が切れる音)」

女は、電話を切りました。

同居家族がいるかどうか確認しようとしたとみられ、家族がいる場合は詐欺と見破られやすいため、途中で諦めたとみられます。

県内の特殊詐欺の被害額を過去10年間で見ると、2014年をピークに減少が続いていましたが、おととし、7年ぶりに前の年を上回り、去年はさらに増加しています。

▼2013年 約10億6100万円
▼2014年 約16億3400万円 過去最多
▼2015年 約14億100万円
▼2016年 約10億7500万円
▼2017年 約10億1600万円
▼2018年 約3億4900万円
▼2019年 約3億2200万円
▼2020年 約2億4100万円
▼2021年 約4億7300万円
▼2022年 約6億8400万円(暫定値)

県警は、「電話でお金の話がでたら詐欺と疑ってほしい」としていて、警察官を名乗る人から着信があったときは一度電話を切って最寄りの警察署などに確認するよう呼びかけています。

© 株式会社中国放送