柳田真孝のBMW M4 GT3の第一印象は「できすぎてる感じ」。最新GT3の操作性に感動

 2月7〜8日、静岡県の富士スピードウェイで、GTエントラント協会(GTE)が主催するGT300特別スポーツ走行が行われ、15台のGT300クラス車両が参加しテストが行われた。2023年は荒聖治のパートナーとしてブルーノ・シュペングラーと柳田真孝の加入が決まったBMW Team Studie × CRSもこのテストに参加し、柳田が初めてBMW M4 GT3をドライブした。

 2023年のGT300でも注目のラインアップとなったのが、BMW Team Studie × CRS。2022年に嬉しい初優勝を飾ったチームは、2023年もBMW M4 GT3とミシュランタイヤの組み合わせを継続する一方で、ドライバーラインアップを変更。荒聖治のパートナーとして、DTMチャンピオン経験者のシュペングラーと、GT500で二度、GT300で二度のチャンピオンを誇る柳田が起用される、充実の顔ぶれとなった。

 今季加入したふたりにとっては、シュペングラーはスーパーGTが初。一方、柳田はミシュランはGT500で経験があるが、BMW M4 GT3は初めてだ。2022年に導入された最新のGT3カーだが、さまざまなレーシングカーの経験をもつ柳田はどんなファーストインプレッションを抱いたのだろうか。

 2月7日の午前のセッションの後、初めてのドライブを終えた柳田に話を聞きに行くと「すごい。できすぎてる感じがする。現代のクルマだなって感じです」と驚きを交えた笑顔をみせてくれた。

 この感想を端で聞いていた鈴木康昭監督も「ひとつひとつ感動してくれるんですよ(笑)」と言うとおり、柳田が驚いたのは操作性。「操作系ひとつとっても発見があるし、とにかくいろんなものの使い勝手が良いですね。(ピットからの)リスタートの時なんて、ジャッキダウンしてからハンドクラッチですぐに繋いで発進できるし、室内もメーター類がかなり見やすいです。ダイヤルも細かい調整ができて見やすいし、スイッチ関連はかなり良くできています」と柳田は語った。

 GT3は2006年ごろから登場したカテゴリーだが、BMWだけをとってもZ4、M6、M4とすでに三世代目。市販車でも15年経てば大きな変貌を遂げるように、レーシングカーとしても大きな進歩を遂げている。特にM4は2022年リリースの最新世代で、柳田が驚いた操作性はもちろん、メンテナンス性なども考えられ、世界中のチームからも高い評価を得ている。また柳田は、室内のエアコンディショニングも高く評したが、実はM4 GT3では、エアコンは電装系などにも使用されるため“常時オン”が基本なのだとか。

 そんなM4 GT3について、走った感触を聞くと「実際に走ってみても、クルマのドッシリ感がすごくあります。幅も広くてホイールベースも長い。そこからクルマの向きをどう変えるのかはこれからですが、第一印象はそんな感じ。ダウンフォースも出ているし、GT500みたいな印象ですね」と柳田。GT500経験者ならではの感想と言えるだろう。

 もちろん、スーパーGTにおいてはM4 GT3自体のパフォーマンスをさらに引き出すために、重要なのはタイヤ開発となる。初ドライブでは「ひさびさのミシュランですけど、このクルマに合ったものがどんなものかまだ分かりませんし、まだまだ理解はできていない」と柳田は語った。ミシュランは2015年以来となるため無理もないだろう。

 しかし「これから走り込んで、どんどん吸収していきたいです」と柳田。荒、そしてチームとの雰囲気も良好。今後シュペングラーを加え、さらに楽しみなチームになっていきそうだ。

2023スーパーGT富士GTE特別スポーツ走行 M4 GT3のコクピットに座る柳田真孝
2023スーパーGT富士GTE特別スポーツ走行 BMW Team Studie × CRSのM4 GT3
2023スーパーGT富士GTE特別スポーツ走行 走行後、荒聖治とともに笑顔をみせる柳田真孝
2023スーパーGT富士GTE特別スポーツ走行 BMW Team Studie × CRSのM4 GT3

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