松山英樹は薄氷の通過から浮上も…1オン3パットのパーから停滞

松山英樹は惜しい場面が続いた(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子◇WMフェニックスオープン 3日目(11日)◇TPCスコッツデール(アリゾナ州)◇7261yd(パー71)

優勝争いの最終組がプレーする“スタジアム”16番パー3から大歓声がとどろく夕暮れ、松山英樹は最後の9番グリーンで悔しそうに腰を折った。4mのバーディパットがカップのわずかに右を抜ける。ボギーなしの4バーディ「67」で通算4アンダー。54位から25位まで浮上しても、背中から不満がにじんだ。

5ホールを持ち越した第2ラウンドは、朝イチの14番でバンカーに入れたセカンドが目玉となってボギーを喫した。カットライン上で進んだ決勝ラウンドは10番でいきなり9mを流し込むバーディ。タフな11番は奥から巧みな寄せのタップインパーでしのぎ、グリーンを外した12番(パー3)も2mのパーパットをねじ込んだ。

傾斜を慎重に読んだ15番(パー5)、アイアンショットを左手前のピンに絡めた16番と立て続けのチャンスを逃さず2連続バーディ。大会2勝の歴代覇者が“裏街道”から猛チャージの気配を漂わせたが、ここからスコアが動くことはなかった。

ノーボギーでリーダーボードを駆け上がっても満足せず(撮影/田辺安啓(JJ))

346ydのパー4となる17番は1Wで1オンに成功したが、左奥に切られたカップを直接狙えるアングルからファーストパットが3mほどショート。これを外してパーとした後、折り返しても惜しい場面が続いた。2オンした後半3番(パー5)も、大きく曲がりながら段を下る難しいイーグルトライとなって伸ばせなかった。

8番でグリーン左のラフから絶妙なアプローチでパーを拾うなど、第2ラウンド以降の36ホールでボギーはひとつだけ。一方、セカンドでショートアイアンを握りながらチャンスにつけきれず、悔しがるシーンもあった。当地で発揮してきた爆発力をもってすれば、まだまだ上位に迫れるラスト18ホールだ。(アリゾナ州スコッツデール/亀山泰宏)

1日で23ホールを回る長丁場だった(撮影/田辺安啓(JJ))

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