メクル第695号 「師弟入賞」果たす 大橋さん(晴海台小)国際音楽コンで入賞、音楽教室の先生・堤さんも

師弟入賞を果たした堤さん(左)と大橋さん=長崎市、MUSIC STUDIO&Lab.M.T

 兵庫県(ひょうごけん)の「第28回KOBE国際(こくさい)音楽コンクール」声楽部門の小学生の部で、長崎市立晴海台(はるみだい)小5年の大橋裕幸(おおはしゆうき)さん(11)が3位に当たる奨励賞(しょうれいしょう)に選ばれました。昨年10月の予選(テープ審査(しんさ))を通過後(つうかご)に変声期を迎(むか)えたことから、1月8日に神戸(こうべ)市であった本選には曲のキーを変更(へんこう)して挑戦(ちょうせん)し、好成績(こうせいせき)を収(おさ)めました。

 大橋さんは小さい頃(ころ)から歌が好きで、小学3年の時から長崎市東古川町(ひがしふるかわまち)の音楽教室「MUSIC STUDIO&Lab.M.T」で本格的(ほんかくてき)に学び始めました。

 今回は同教室の講師(こうし)で声楽家の堤眞利恵(つつみまりえ)さん(31)から「一緒(いっしょ)に出よう」と誘(さそ)われ初めて応募(おうぼ)しました。歌ったのは「いとしい私(わたし)の恋人(こいびと)」と、オペラ「アルチーナ」の中の「ああ!私の心よ」という2曲。いずれもイタリア語で、「歌詞(かし)を正しく発音すること」を特に意識(いしき)してきたそうです。

 しかし、予選後に声変わりをしたため、本選に向けては歌い方を変えなければなりませんでした。声に合うようキーを低くしましたが、歌い慣(な)れない音も多く苦心。発音、息継(いきつ)ぎの位置、歌う姿勢(しせい)などを堤さんから教わり、声の変化に負けないよう努力を重ねました。

 そうして出場した本選は「緊張(きんちょう)していないつもりだったけれど、体は正直だった」と大橋さん。ステージの立ち位置を間違(まちが)えたり、歌っている途中(とちゅう)に喉(のど)の不調に見舞(みま)われたりしましたが、最後まで歌いきりました。

 「(好成績は)あきらめていたから、入賞はうれしかった」と大橋さん。これからについて「聴(き)く人の心に響(ひび)くような歌が歌えるようになりたい」と意気込(いきご)みを話しました。

 同コンクールには、堤さんも声楽部門の一般(いっぱん)の部に出場。オペラ「エジプトのマリア」の中の「あなたの怒(いか)りは激(はげ)しく昂(のぼ)り」を歌って、3位に当たる優秀賞(ゆうしゅうしょう)に選ばれました。「教え子と一緒に入賞。うれしい」と演者(えんじゃ)として、指導者(しどうしゃ)として二重の喜びをかみ締(し)めました。

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