マリノス普及組織、横須賀のスポーツ教室が人気 企業版ふるさと納税がアシスト

F・マリノススポーツクラブのコーチから指導を受ける児童ら=横須賀市武の市立富士見小学校

 サッカーJ1の横浜F・マリノスの育成普及などを担う「F・マリノススポーツクラブ」が企業版ふるさと納税制度を活用し、神奈川県横須賀市内で子ども向けに開いているスポーツ教室が人気を集めている。本年度は市立小学校24校で約50回、幼稚園、保育園5園で6回行う計画で、寄付金を財源に学校や園が希望するスポーツ用品も寄贈。スポーツの楽しさを子どもたちに伝えている。

 「ボールを上に投げ上げて、キャッチするまでの間に動物のまねをしてみよう」

 市立富士見小学校(同市武)の授業の一環で行われたスポーツ教室。校庭に集まった1年生23人の前で、同クラブの海老塚晋也さん(37)ら3人のコーチが声を張り上げた。海老塚さんが見本としてボールを投げ上げて、ゴリラのまねをすると、児童は大喜び。児童もゾウ、トラのまねをしながら、力いっぱいボールを投げ上げた。

 ボールをドリブルするゲーム形式の練習も行われ、児童は笑顔で走り回った。海老塚さんは「体を動かすことが楽しいと感じてもらいたい」と話していた。教室終了後、障害者スポーツとして親しまれている「ボッチャ」の競技用品が学校に寄贈され、上地克明市長らが児童の代表に手渡した。

 企業版ふるさと納税は、地方自治体の取り組みなどに法人が寄付した場合、税が軽減される仕組み。市とマリノスの取り組みに賛同したシステム開発の「IC」(東京都)が900万円、産廃運搬処理の「山一商事」(同)が500万円を市に寄付。市は奨励金として教室の開催経費を同クラブに支払っている。

 同市は横浜F・マリノスのホームタウンで、練習施設が久里浜地区に今月オープン。スポーツで地域を活性化させる取り組みが始まっている。同クラブの宮本功代表理事は「マリノスをいつも市民生活の中にあるような、身近な存在にしたい」と話していた。

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