“悩み”は技術面へ 松山英樹はフェニックスで不発も「身体的には良くなった」

10度目となる得意のフェニックスで29位フィニッシュ(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子◇WMフェニックスオープン 最終日(12日)◇TPCスコッツデール(アリゾナ州)◇7261yd(パー71)

松山英樹は2016、17年と大会連覇を遂げたTPCスコッツデールでの戦いを通算5アンダー29位で終えた。初日93位の出遅れから挽回して滑り込んだ決勝ラウンドでチャージとはならず、伸ばし合いのフィールドでもどかしさを募らせた。

首をはじめとするフィジカルコンディションへの不安は消えてきた様子(撮影/田辺安啓(JJ))

この日最初にスコアが動いた6番は“ナイスボギー”。わずかにつま先上がりのライに止まったバンカーからのセカンドが大きく左に曲がり、カート道の救済でネイティブエリアにドロップした後のアプローチを手前のガードバンカーへ落とした。ボギーパットも4mを残す大ピンチ。それでも、カップに消える前から確信を持って歩き出すパッティングで傷口を最小限にとどめた。

反撃開始はサンデーバックナインまでずれ込んだ。最難関11番は1Wを真っすぐ飛ばし、セカンドで池に近い左ピンの3m弱に絡めてチャンスメーク。これを惜しくも外して天を仰いだ後、12番(パー3)で1.5mを沈めてバーディを奪った。

タフなアプローチを強いられる場面も多かったが崩れなかった(撮影/田辺安啓(JJ))

11番も、手前のカラー付近にキャリーしてピンそばまで転がった12番も、「あんまりいい当たりじゃなかったんで。(結果として)ついてくれていたんで、スコア的には助かりましたけど…」というのが率直な自己評価。15番(パー5)では5Wでのセカンドが水しぶきを上げた後、グリーン手前からチップインを決めた。ギャラリーを大いに沸かせたものの、ロングホールで何とかパーを拾う一打とあっては喜びも半減する。

最終18番のボギーが2日目以降の54ホールでは3つ目。その間のパーオン率64.81%(35/54)にとどまった中でショートゲームによるカバーが実を結ぶ場面も多かった。「その3つも全部、しょうもないボギーなんで。練習ではうまくいっても、試合になったらなかなかうまくいかないというのが続いている。試合をやっている中で(きっかけを)見つけていくしかないかなって感じですね」と吐露。ゲームの中で感覚をつかんで状態を上げていくまでに時間を要している部分も含めて課題と向き合う。

次週はタイガー・ウッズも参戦の「ザ・ジェネシス招待」(撮影/田辺安啓(JJ))

いつも通りのシビアな口ぶりに終始した一方、痛みに対する懸念が薄れ、技術的な研さんに集中できるようになってきた様子も漂う。「身体的には良くなった。風邪が治らないですけど…」という苦笑いも、どこか明るい。連戦となる次週は大会ホストのタイガー・ウッズも出場が決まった「ザ・ジェネシス招待」(カリフォルニア州リビエラCC)。納得のゴルフを追い求めて、西海岸シリーズを締めくくる。(アリゾナ州スコッツデール/亀山泰宏)

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