「たき火の魅力 伝えたい」タキビスト・ボータさん 『良炎』婚活絡めイベントも

たき火の魅力を語るボータさん=長崎市西海町

 タキビスト=自然を大切にしてたき火を愛する人-。そんな耳慣れない肩書で活動する「TAKIBIBA[R]」代表のボータさん(38)。たき火に関するイベントを2021年から県内で通算20回以上重ねる。たき火の魅力を、自然の素晴らしさを伝えるため、日々火を起こす。
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 本名、田中亮太さん。福岡県太宰府市出身。幼い頃、よく親とキャンプ場に行き、たき火に葉っぱを入れて火が燃えるのを見るのが好きだった。大学時代には友人たちと九州各地のキャンプ場や山登りを楽しむなど生粋のアウトドア派。卒業後、長崎市の会社に就職し、平日は働きながら、休日はタキビストとして活動している。
 長崎の印象は「山と海が近く、自然が好きな人にとっていい環境」。就職後、転勤でいったん福岡に戻ったものの、20年4月から再び長崎で勤務。コロナ禍の中、感染対策もしながら開放的にレジャーを楽しみたい人の間でキャンプ人気が高まったのを機に、たき火イベントを始めた。
 タキビスト名ボータは、たき火で使う木の「棒」と本名の「リョウタ」を合わせた。薪の選定には特にこだわる。長崎市と東彼東彼杵町の店から仕入れ、火起こし時はカシ、スギなど軽くて燃えやすい針葉樹、燃え上がってきた後はサクラやカシなど燃焼時間が長い広葉樹-と使い分ける。
 最初は1人で細々とやっていたが、薪から薪へ火が燃え移るように、交流サイト(SNS)で輪が広がった。長崎市の県庁跡地で毎月開催しているたき火会には最大約40人が参加。たき火でカレーやコーヒーを作るなど、趣向を凝らしたイベントも企画する。
 県婚活サポートセンターの依頼で、たき火を生かした婚活イベントをこれまで4回実施。「良縁」を「良炎」と語呂合わせし、ゆっくりと燃える火を囲みながら自然と打ち解けるカップルを増やすのが狙い。「いずれは、ここで誕生した夫婦が子どもを連れてたき火イベントに来てくれるといいな」と夢見る。
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 タキビストとして、キャンプ場で燃えかすを放置するようなマナー違反は見過ごせない。「後片付けまでして楽しんでほしい」と呼びかける。「何も考えずにずっと見ていられて、リラックスできるのが、たき火の魅力。もっと多くの人に楽しんでほしい」。寒さが和らぎ、たき火を楽しむのにうってつけの春は、もうすぐだ。
 イベントの依頼はホームページ(https://www.takibist.xyz/)から。

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