優勝タナク「最高のスタート。予想以上と言えるだろう」/WRC第2戦スウェーデン デイ4後コメント

 2月12日、WRC世界ラリー選手権第2戦『ラリー・スウェーデン』競技最終日のSS16~18が行われ、首位でこのデイ4を迎えたオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(フォード・プーマ・ラリー1)が総合優勝を飾った。Mスポーツ・フォードWRTの優勝は、セバスチャン・ローブが制した2022年開幕戦モンテカルロ以来、約1年ぶりだ。日本の勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、エンジントラブルのためSS17走行後にリタイアとなった。そんな今季第2戦スウェーデンの全日程を終えたトヨタ、ヒョンデ、Mスポーツの3チームからドライバーコメントが発表されている。

■Mスポーツ・フォードWRT

●オット・タナク(#8 フォード・プーマ・ラリー1)/総合優勝

「なかなかのものだった。悪くないよ。ラリーに来たときは、何が期待できるのか分かっていなかった。ラリーを進めていくうちに、僕たちは最速にはなれないと理解した。でも他のクルーに比べて平均ペースをかなり速く保つことができたので満足している」

「チームとして、出来の悪いステージをなくして、どこででもタイムを失わないようにしていた。それが重要だった」

「スウェーデンは独特なところだ。このようなラリーは年に1度しかない。それはメキシコも同様だ。あそこで1番目に出走したら、まったくアドバンテージにはならないね!」

「とはいえ、これはチャンピオンシップにおける最高のスタートだ。予想以上と言えるだろう。もちろん僕たちはもっと改善できる。ペースを上げていくつもりだよ」

●ピエール-ルイ・ルーベ(#7 フォード・プーマ・ラリー1)/総合6位

「まずは、オット(・タナク)、マルティン(・ヤルヴェオヤ/コドライバー)、そしてチームのみんなに心からおめでとうと言いたい。この週末はMスポーツにとって大きな成果だった。その一端を担えたことをとてもうれしく思っている」

「今週末にはポジティブなことがたくさんあったと思う。金曜日は素晴らしい一日で、僕たちは多くの時間を先頭集団のペースで走っていた。2番手のタイムも出すことができた。僕は雪と氷の経験が少ないけれど、そのことを考えたら僕たちはこの結果にとても満足できると思う」

「でも、プッシュする自信がない時もあり、そういったところではタイムを失ったけれど、全体的には満足している。チャレンジングだったが多くのことを学んだよ。これからはメキシコでのまた違った挑戦を楽しみにしている」

ピエール-ルイ・ルーベ/ニコラス・ギルソウル組(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン
Mスポーツ・フォードWRTに1年ぶりの勝利をもたらしたオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン

■ヒョンデ・シェル・モビスWRT

●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合3位

「金曜日は出走順が早く、難しい一日を過ごしていたから、こんなに素晴らしい結果を得られるとは期待していなかった。体調不良でプレイベントテストができず、このイベントの準備は限られたものになったから、3位に戻れたことが信じられないくらいだ」

「僕たちのチームにとって強力なラリーだった。3組のクルーが最高のパフォーマンスとスピードを見せていた。クレイグ(・ブリーン)とジェームス(・フルトン/コドライバー)は2位につけたし、エサペッカ(・ラッピ)とヤンネ(・フェルム/コドライバー)はパワーステージで5ポイントを獲得した。僕たちがこの週末から得られるポジティブな要素は大きい」

●エサペッカ・ラッピ(#4 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合7位

「今週末にはポジティブな収穫がたくさんあった。ラリーに向けて万全の準備ができた。望んでいた結果は出なかったけれど、ペースはあった。今週末は2位を狙うことも可能だったから、とくに昨日起きた後ではこの結果を喜ばないといけないね」

「パワーステージではファステストタイムを目指した。充分にやれたとは思わなかったけれど、最後にはやり遂げることができて、ボーナスの5ポイントを獲得できた。メキシコに向けてこの勢いを維持する必要がある。たとえまったく違うタイプのラリーになろとしてもね」

●クレイグ・ブリーン(#42 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合2位

「WRCのトップ争いに戻るのは本当に素晴らしいものだ。今週末何度も言ってきたけれど、僕はこの感覚を逃してきた。でも困難な時期を経て復帰し、表彰台を獲得できたのは格別だ」

「これはジェームス(・フルトン/コドライバー)の初表彰台でもあるから、彼にとっても素晴らしいことだ。ここスウェーデンで成し遂げたことをとても誇りに思える」

「僕たちを信頼してくれたチームと、完璧な仕事をしてくれたジェームスに心から感謝している。この素晴らしいチームとクルマに戻ることができて本当に喜んでいるんだ」

今季初参戦で2位となってクレイグ・ブリーンとWRC初表彰台を獲得したジェームス・フルトン(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン
エサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン
3位表彰台を獲得したティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン

■TOYOTA GAZOO Racing WRT

●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合4位

「かなり困難な週末だったが、最終的にとてもハッピーだ。出走順が1番手だった金曜日は1本非常に難しいステージがあり、そこを2回走っただけで30秒以上も遅れてしまった。しかし、最終的には首位と約25秒差だったので、状況を考えればかなり良いラリーを戦えたと思う」

「今朝の最初のステージでは良いタイムが出てティエリー(・ヌービル/ヒョンデi20 Nラリー1)と3番手争いすることができたが、2回目の走行では路面に轍が深く刻まれていたことでペースが上がらなかった」

「週末を通じてハードにプッシュし続けたけど、同じステージを2回目に走る時は総じていいタイムが出なかった印象だ。少なくとも次のメキシコでは1番手でステージを走る必要がないため、フレッシュな気持ちで臨み、良いラリーを戦いたいと思っている」

●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合5位

「タフな週末で、自分たちが期待していたような結果にはならなかった。個人的にはクルマになかなか自信が持てず、その上、いくつかミスもしてしまった。そのような状況を考えれば、少なくともポイントを獲得できたことを喜ぶべきだが、僕自身はより高いパフォーマンスと結果を得るためにラリーを戦っている」

「ラリーを終えて、いくつか改善できるエリアが見つかり、今後に向けて作業を進めることになるが、スウェーデンはつねに特殊なイベントなので、今はメキシコに向けて、グラベルラリーに開発の焦点を合わせる必要がある」

●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/リタイア

「週末を通してクルマはとてもいいフィーリングでした。金曜日のアクシデント後、クルマを修理してくれたチームのおかげで、土曜日と日曜日のステージでは今後に役立つ多くの経験を積むことができました」

「しかし、残念ながら今日はラリーを走りきることができませんでした。パワー不足を感じるようになり、エンジニアがクルマのデータをチェックしたところ問題があることがわかったので、ラリーを続けることができなかったのです」

「今回、良い結果を出すことができずチームに申し訳なく思いますが、次のラリーでは良いパフォーマンスを発揮できるように頑張ります」

エンジントラブルによりリタイアとなった勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン
カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン
エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン

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