原爆資料館 展示更新へ 長崎市が被爆80周年事業

 長崎市は13日、2025年の被爆80周年記念事業として、25年度末をめどに長崎原爆資料館(平野町)の展示内容を更新すると発表した。核兵器を巡る国際情勢など近年の動きを踏まえた内容に見直す方針で、内容は今後具体化する。
 新年度当初予算案に基本計画策定の委託費400万円を計上。24、25年度に設計、工事に取り組む。同館は被爆50周年事業として1996年4月に開館。展示更新は70周年事業で新たな映像機器やデジタル資料などを導入して以来となる。
 市は昨年11月、被爆者や有識者でつくる同館運営審議会の会合で、展示更新に向け▽若い世代に伝わる▽核兵器の最新状況が分かる▽平和について考え行動するきっかけとなる-など六つの方向性を示していた。
 田上富久市長は13日の会見で「現在は核兵器禁止条約など核兵器廃絶に向けた近年の動きの発信が十分ではない」との認識を示し、「過去の出来事を知るだけでなく、これから自分たちが平和のために何をすべきか、気持ちに働きかけるような展示が必要になる」と述べた。


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