男子・大村工6年ぶりV 全九州選抜高校バレー 日本一へ上々スタート

【男子決勝、大村工-日南振徳】第2セット、大村工のOH土井がスパイクを決めて13点目=島原復興アリーナ

 バレーボールの第33回全九州選抜高校大会最終日は12日、島原市の島原復興アリーナで男女の決勝トーナメントが行われ、長崎県勢は男子の大村工が決勝で日南振徳(宮崎)に2-0で快勝して6年ぶり5度目(2021、22年は中止)の優勝を飾った。女子の純心女はV7を達成した東九州龍谷(大分)に準決勝で敗れたが、3位入賞した。
 大村工は準々決勝で大分工を圧倒。準決勝は川内商工(鹿児島)に第1セットを25-23、第2セットも25-20で競り勝った。日南振徳との決勝は第1セット、MB浅田とOH土井の連続ブロックなどでリズムに乗って25-20で先取。第2セットは10-13と追う展開から、相手のサーブミスにも乗じて逆転すると、最後は25-21で振り切った。
 純心女は準々決勝で鎮西(熊本)にストレート勝ち。準決勝は東九州龍谷の高さに苦しみ、第1セット13-25、第2セット17-25で敗れた。

◎エース土井が要所で存在感/大村工

 1月初旬の全日本選手権(春高)後、新チームへ移行して1カ月余り。男子の大村工がハイレベルな大会を制して上々のスタートを切った。指揮官として初の九州タイトルを手にした朝長監督は「まだまだ上には上がいるけれど、まず一つ子どもたちに自信というか、プライドを持たせたかった」と収穫を口にした。
 全試合1セットも落とさず快勝。決してエースに頼るバレーではなかったが、要所で存在感を発揮したのはやはり主将のOH土井だった。「自分がどんな場面でも決められるかがポイントだと思う」とエースの責任感を強調し、朝長監督も「3年生がいた時とちょっと変わってきた。(周囲への)声かけにもそれが出ている」とうなずいた。
 決勝も厳しいマークの中でチーム最多の11得点を記録。次いで10得点した対角の1年生横山に対して「先輩として負けられない」と相乗効果で攻撃を引っ張った。劣勢の第2セット中盤は横山のフェイントと土井のバックアタックで追いつき、互いに好レシーブも披露。横山の二段トスを土井が押し込んだ19点目から徐々に点差を広げた。
 その存在がチーム伝統のセンター線も生かす。MB浅田、安元はそれぞれ土井、横山との巧みな掛け合いで相手を翻弄(ほんろう)。マッチポイントで速攻を決めた安元は「負けじと点を取って(レフトの)2人を楽にさせたかった」と胸を張った。
 これから1年間、狙うは全国のタイトル。土井は「九州王者のプレッシャーを感じることもあると思うけど、それも楽しめたらいい。どんどん強くなって日本一を取る」と頼もしかった。


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