沖縄コロナ、家庭内感染が最多 若者、子育て世代を中心に 2021年3~9月県まとめ

 新型コロナウイルスの感染者が沖縄県内で初めて確認されてから14日で3年となった。県民54万人以上が感染し、小児を含む894人が亡くなり、県内医療機関は「医療崩壊」を経験した。コロナ施策が大きく変わろうとしている中、行政支援の縮小で医療が行き届かなくなることも懸念される。何を優先し、誰を守るか。模索が続いている。

 新型コロナの12日時点の累計感染者57万3751人のうち、年代別の割合は30代が15.23%で最も多く、続いて40代15.12%、10代15.11%、10歳未満14.57%、20代13.97%と、感染は若者や子育て世帯を中心に拡大した。

 2021年3~9月に県がまとめた推定感染場所の割合は、感染者数3万7955人のうち最多は家庭の34%で、続いて不明20%、会食16%、職場10%、医療.介護5%、学校.保育園が4%だった。年中行事や連休などの交流から家庭内感染を通して、感染が拡大してきた。

 新規感染者数の増加は、重症化リスクが高い高齢者や基礎疾患のある患者の死亡にもつながった。20年度のコロナ関連死亡者は129人だったが、21年度は肺炎症状が強く出るデルタ株の影響もあり315人に増加。感染力が増したオミクロン株は、医療や介護現場のクラスター(感染者集団)を引き起こし、22年度は2月10日時点で445人を記録している。

 過去3年間の死亡者の年代別では80代が297人、90歳以上が290人と、重症化リスクや基礎疾患がある高齢者が群を抜いている。70代でも161人となった。

 重症化予防のため、県はワクチン接種を呼び掛けてきたが3回目接種率は9日時点で51.33%と全国最低。県は接種率の低さも感染拡大の要因とみている。接種は3月31日まで公費で受けられるため、県ワクチン・検査推進課は「未接種の方などは受けてほしい」と呼び掛けた。

 (嘉陽拓也)

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