タイトル争い復帰なるか。メルセデスF1過去10年の車両遍歴【F1チーム別歴代マシンギャラリー】

 メルセデスF1チームは2月15日の日本時間18時15分より、2023年型F1マシン『W14』の発表会を、チームのSNSアカウントを通してライブ配信する。ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセル、リザーブドライバーとして新たに加入したミック・シューマッハー、そしてチーム代表兼CEOのトト・ウォルフのインタビューが実施されるほか、メルセデスは当日、フィルミングデーとして『W14』のシェイクダウンをシルバーストンで実施し、その模様もSNSを通して発信する予定だ。

 ここでは、メルセデスF1チームが2013年から2022年シーズンまでに走らせた過去10台のマシンとそれぞれのカラーリング変遷を振り返る。

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メルセデスF1が2013年に投入した『W04』

 
 2010年よりF1に“復帰”を果たしたメルセデス。2.4リッターV8最終年となった2013年には復帰4作目となる『W04』を投入。また、同年にはのトト・ウォルフがチームのCEOに就任したほか、引退したミハエル・シューマッハーに代わり、マクラーレンからルイス・ハミルトンが加入。シーズン中はニコ・ロズベルグが2勝、ハミルトンが1勝を飾り、コンストラクターズ2位を獲得。

メルセデスF1が2014年に投入した『W05・ハイブリッド』

 
 2014年のV6パワーユニット時代到来はメルセデスの黄金期の始まりでもあった。『W05・ハイブリッド』は19戦中16勝。ポールポジション18回、ファステストラップ12回、ワンツーフィニッシュ11回とライバルを圧倒。ハミルトンが自身2回目のドライバーズタイトルを獲得。そしてメルセデスが初のコンストラクターズタイトルを獲得した。

メルセデスF1が2015年に投入した『W06・ハイブリッド』

 
 PU時代2年目の2015年もメルセデスの強さ・速さは群を抜いていた。『W06・ハイブリッド』は19戦中16勝。ポールポジション18回、ファステストラップ13回とその記録を伸ばし、ハミルトンが第16戦アメリカGPで2年連続のドライバーズタイトルを獲得。

メルセデスF1が2016年に投入した『W07・ハイブリッド』

 
 2016年シーズンのタイトル争いは『W07・ハイブリッド』のステアリングを握ったハミルトンとロズベルグの戦いとなった。激戦の結果5ポイント差でロズベルグが初戴冠となったが、同年12月にロズベルグは突如F1引退を発表し、世界中を驚かせた。この年もメルセデスは21戦中19勝、勝率90%超えで他を圧倒した。

メルセデスF1が2017年に投入した『W08 EQ Power+』

 
 前年に引退したロズベルグに代わり、ウイリアムズからバルテリ・ボッタスが加入。2017年の『W08 EQ Power+』は信頼性・スピードともに他を圧倒も、20戦中12勝と優勝回数は減少。それでもハミルトンとメルセデスがダブルタイトルを獲得している。

メルセデスF1が2018年に投入した『W09 EQ Power+』

 
 2018年シーズン序盤、メルセデスは3戦で勝利を逃した。タイヤマネジメントの面で苦しむ場面もありつつも、21戦中11勝、13回のポールポジションを獲得。ハミルトンとメルセデスがダブルタイトルを獲得と、メルセデスの優位性には変わりはなかったが、一方のボッタスは未勝利に終わり、最強マシンを手にしつつもドライバーズランキング5位となった。

メルセデスF1が2019年に投入した『W10 EQ Power+』

 
 2019年はハミルトンが11勝、ボッタスが4勝でドライバーズランキングのトップ2を締め、メルセデスが6回目のコンストラクターズタイトルを獲得。なお、5月に急逝したニキ・ラウダを追悼するべく、モナコGPではヘイローのカラーリングがレッドに彩られた。

メルセデスF1が2020年に投入した『W11 EQ・パフォーマンス』

 
 2020年のプレシーズンテストから『W11 EQ・パフォーマンス』に搭載された『DAS(デュアル・アクシス・ステアリング/2軸ステアリング)』が物議をかもしたが、同年中は合法と判断された。また、反人種差別の取り組みとしてブラックを基調としたカラーリングに変更。新型コロナ禍の影響を大きく受けたシーズンだったが、17戦中13勝をマーク。ハミルトンが7回目、メルセデスが7回目のタイトルを獲得した。

メルセデスF1が2021年に投入した『W12 E・パフォーマンス』

 
 2021年はダウンフォース量10%低下、昨年型マシンの改良型の投入と異例のシーズンは、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとハミルトンの一騎打ちに。両者が同ポイントで迎えた最終戦アブダビではセーフティカー導入などの影響もあり、ファイナルラップで首位を奪われ、ハミルトンはドライバーズランキング2位に。ただ、8回目のコンストラクターズタイトルは死守した。

メルセデスF1が2022年に投入した『W13 EQ・パフォーマンス』

 
 技術規則の大幅変更により、メルセデスはポーパシングに大いに悩まされた。シーズン後半には改善されたが、シーズン中の優勝はジョージ・ラッセルの1勝に留まり、7度の王者ハミルトンは未勝利に終わる。また、コンストラクターズもレッドブル、フェラーリに先行され3位に後退。8年連続のコンストラクターズ王者が“追う立場”となった1年だった。

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