西肥バス減便で生活に支障 市民の会が改善要望 佐世保市「戻すことは不可能」

 長崎県佐世保市の西肥自動車(西肥バス)が昨年3月に改正した路線バスのダイヤを巡り、市民らでつくる「させぼのバスを考える市民の会」は15日、減便で市民生活に支障が出ているとして、市に改善を要望した。市は運転手不足が深刻化する現状では「以前のダイヤに戻すことは不可能」と答えた。
 同社は運転手不足などを理由にダイヤを改正。全体の運行本数を従来より約16%減らした。
 同会の中村孝一代表(75)は減便で利便性が損なわれ「病院や買い物に行けず、深刻な問題」と訴えた。市地域交通課の吉永正人課長は、路線を廃止した地区はバスから予約制の乗り合いタクシーに転換しながら移動手段の確保を図っており「あらゆる輸送手段と連携しながら、具体的なネットワークをつくらなければならない」と答えた。
 市は2019年に市営バスを廃止し、路線は西肥バスに集約した。西肥バスは利便性を向上させるため、今月末から、スマートフォンでバスの現在地を確認できるサービスを県内で初めて運用する予定という。


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