10年に一度の強烈寒波あっても… 桜の開花は平年より早めか 気象会社の予想出そろう

この時期になると、民間気象会社が発表するのが桜の開花予想です。毎年、RCCの天気コーナーでは7つの会社・団体が発表する桜の開花予想を紹介していますが、きょうまでに出そろいました。

大きく注目される桜の開花発表は、広島地方気象台が発表するものです。広島市中区の縮景園にあるソメイヨシノの標本木を目安としています。気象台の職員が5~6輪の花が咲いているのを確認すると、「広島で桜が開花した」と発表します。広島の桜開花の平年日は3月25日です。

民間気象会社では、早いところで1月中頃から桜の開花予想を発表しています。
今週時点の桜開花予想では、最も早いのが3月21日最も遅いのが3月26日となっています。

当初、平年並みと予想する会社が多めでしたが、ここにきて予想をやや早める会社が出ています。気象キャスターネットワークの3月26日予想も2月10日時点の予想なので、次に予想が更新される時には数日早くなるかもしれません。

今週になって予想がやや早まっている背景には、3月の気温が高めの予想が出ているのも背景にありそうです。2月16日に気象庁が発表した、この先1か月(2月18日~3月17日)の長期予報では、全国的に気温が平年に比べて高めとなる見込みです。

桜の開花が早いか遅いかは、冬から早春にかけての気温が大きく関わってきます。つぼみが生長を始めるのに必要な休眠打破は、冬がしっかり寒くないと起こりません。また、つぼみの生長が加速するためには春の暖かさが必要です。

全国で最も早く3月11日に開花した2021年。この記録的に早く桜が開花したのは、12月から3月までの気温変化が開花を早めるサイクルとピッタリ合っていたことがあったとみられます。冬の前半の寒さが厳しく、後半はかなり暖かいというハッキリとした気温変化です。

では、今シーズンの冬はどうでしょうか。冬の前半は、クリスマス寒波(12月下旬)や10年に一度の強烈寒波(1月下旬)があったために休眠打破は十分だったとみられます。

冬の後半になると、2月下旬に気温がやや低い時期が一時的にあったものの、3月は全般的に気温が高めの予想です。

全体としては平年よりも開花はやや早くなるという予想にシフトしてきているのはこうした理由がありそうです。

まだ冬の寒さを感じる日もありますが、あと1か月と少しすれば桜の季節がやってきます。

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