2023年5月8日から新型コロナの位置づけが「5類」に引き下げられることになり、観光業界は移行後を見据えた動きをみせています。マスクを外した観光客の来訪などもすでに意識しています。
<おおとり荘 原勝政支配人>
「どうぞこちらです」
Q.お風呂ですか?
「漆風呂の大浴場なんですけど、1か月間かけて宮城の職人に来てもらって」
静岡県伊豆の国市の老舗旅館「おおとり荘」。檜に漆を塗り重ねた大浴場が自慢です。こちらの旅館では、新型コロナの「5類」引き下げによる観光業界の回復を見据え、旅館を2月上旬まで休館してリニューアルしました。中でも、徹底したのは換気機能です。
<おおとり荘 原勝政支配人>
「5類になって、ノーマスクのお客さんとか増えてくると思いますので、少しでも安心してもらえるような換気システムだと思っています」
従来の換気に加えて、人が集まる場所には高機能の換気設備を新たに設置しました。
また、新型コロナの影響でツアー客よりも親族や友人での宿泊が増えたため、部屋の壁を取り払い、広めの部屋に改装した上で、仕切りを増やすなど感染対策を講じています。
<おおとり荘 原勝政支配人>
Q.リニューアルした中でお客さん来るかどうか不安はありますか?
「ありますよ、もう4月以降どうしていこうかというのが本音です。何も読めないので」
おおとり荘は2月10日からリニューアルオープンしていて、食事も春の色どりを意識したメニューに一新するなど春の伊豆を盛り上げたい考えです。
<さわやかツアー 松本博社長>
「ハウスはいつからやる予定ですか?ハウスのサクランボ」
静岡市葵区のバス旅行を企画する「さわやかツアー」。密を避けて楽しめることから、コロナ禍でも人気のあるサクランボ狩りのツアーを2023年も計画しています。
<さわやかツアー 松本博社長>
「なるべく、近い所、近距離の旅行を考えてまして。バス旅行は3年前からほとんど行かれてない方がほとんどですからね、こんなに大変なのかていう風に思ってしまいますから」
「5類」移行後の動きは、まだ予測できないといいますが、気になるのは旅行支援の行方です。
<さわやかツアー 松本博社長>
「旅行割があったほうが皆さんが行きやすくなりますから、もう少し続けてほしいなというのは正直あります」
原則、3月末で終了する見込みの全国旅行支援。割引がなくなった後も、観光業界が冷え込まないよう対策が求められます。
<静岡県観光振興課 花田淳課長>
「歴史、文化の話題であったり食の話題であったり、スポーツの話題であったり、たくさん魅力がありますので、そこを磨き上げたうえで選んでもらえるような施策をして需要を落とさない」
4月からを割引のない状態に戻すための「移行期」と位置づけていて、観光地の魅力をさらにPRしていく考えです。