栃木県日光市伝統の冬野菜「野口菜(水掛菜)」の収穫作業が、日光だいや川公園で細々と続けられている。
同市野口で江戸時代初頭に作られ、その名が付いたとされる。作り手の減少などで生産は一時衰退したが、地域住民らが「野口菜水掛菜保存会」を設立。15年ほど前から同公園だいや体験館が農業体験を通し、継承活動に取り組んでいる。
春を思わせる陽気となった17日は10人ほどが収穫作業に参加。水温12度前後の男体山の伏流水が流れる畝の間を歩き、自家用として1株ずつ丁寧に抜き取っていった。
小杉圭市(こすぎけいいち)会長(88)は「漬物やおひたしがおすすめ。日光の冬の味覚を守り続けたい」と話した。