「やっぱり長崎が大好き」 仙台から復帰のMF名倉巧 攻撃に変化もたらす

期限付き移籍からV長崎に復帰したMF名倉。攻撃に変化を生み出し、自身も10得点以上を狙う=沖縄県読谷村陸上競技場

 「もう一回、V長崎のために戦える喜びを感じる」
 プロ7年目のMF名倉巧が期限付き移籍で1シーズンを過ごしたJ2仙台から復帰した。MFとDFのスペースに入り込み、狭いエリアで仕掛ける個人技に加え、連動して周りを生かすこともできる。昨季のV長崎に乏しかった攻撃に変化をもたらし、前線を活性化させることが期待される。
 2018年に琉球からV長崎に加入。当時はJリーガーと大学生の「二足のわらじ」を履いていたが、プロ一本で進むと決めた。在籍した4年間で大けがもあったが、リハビリを乗り越えてピッチに戻り、2度の昇格争いも演じた。
 22年1月5日。葛藤も抱えながら「チャレンジする」とJ2仙台でプレーすることを選んだ。「知らない地で認めてもらうには結果で示すしかない」。昨季は自己最多の31試合に出場。4得点もマークして手応えを得た。ただ、前半戦に首位に立っていたチームは徐々に失速し、プレーオフ圏外の7位で終了。貪欲さやサッカー観で成長を実感できた一方、悔しさも味わった。
 そうした中、V長崎への復帰話が届いた。「簡単に戻っていいのか、受け入れてもらえるか」。考えを固めるには時間を要したが、髙田旭人社長、ファビオ・カリーレ監督、竹村栄哉テクニカルダイレクターの「昇格のために名倉が必要だ」という言葉が胸に響いた。「思いに応えないといけない」と覚悟を持ち、V長崎に戻ることを決断。同時に再認識した。「やっぱり長崎が大好きなんだな」
 カリーレ監督のサッカーは「好きなスタイル」。ゴールに近ければ、持ち味を存分に生かせると自負する。昨季の故障の影響でキャンプは出遅れたが、今は全体練習に合流。開幕戦勝利のため練習に励む。
 目標は10得点以上。「歓喜の瞬間が多ければ、昇格も見えてくる。その力になりたい」。経験を積み重ねてきた24歳が、再び長崎の地で躍動する。


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