佐世保市の新年度当初予算発表 一般会計1194億円 骨格でも過去4番目規模

佐世保市一般会計当初予算案

 佐世保市は17日、2023年度当初予算案を発表した。一般会計総額は22年度当初比1.5%減の1194億4300万円。4月に市長選を控え、新規の政策的経費を抑えた骨格予算としながらも、継続性が必要な事業費などを計上し、過去4番目の規模となった。新規は41事業(22年度は84事業)と半減した。24日開会予定の定例市議会に提案する。
 朝長則男市長は会見で「新時代へ道筋をつける予算」と説明。4期16年で市民の生活を守り、地域経済の活性化などに取り組んできたとして「50年、100年先のまちの基礎を作ることができた。新しい市長にバトンタッチできる予算になった」と述べた。
 新型コロナウイルス感染症の経済対策は約2億5100万円。レンタカーの利用料を助成して周遊観光を促すほか、市立学校の給食費の増額分を負担するなどの事業を盛り込んだ。
 デジタル技術を活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)に引き続き注力。市役所手続きのオンライン化や農畜産業のスマート化、高品質化などで生産性の向上や新規事業展開を促していく。木質バイオマスの導入検討などを通して脱炭素化も進める。
 重要施策「リーディングプロジェクト」では、国際クルーズの本格再開を見込み、三浦・浦頭両地区の受け入れ態勢の整備などに取り組む。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致の実現に向けた検討なども進める。
 このほか、不足している自動二輪車の駐車場整備事業や市制125周年に向けた市史編さん事業なども組み込んだ。
 一般会計の歳入に占める自主財源の割合は40.3%。その柱となる市税は個人市民税や固定資産税の増加を見込み22年度比0.7%増の296億円。歳出のうち公共事業分野は、道路など生活関連公共事業の減少などで構成比が同1ポイントの減となった。
 借金に当たる市債残高は23年度末の見込みで928億4千万円。市民1人当たりに換算すると38万1700円となる。一般会計の財源不足分は、貯金に当たる2基金(財政調整・減債)から計32億8千万円を繰り入れる。2基金の23年度末の残高は88億7千万円となる見込み。

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