<金口木舌>名前を通じた交流

 「親の心子知らず」ということわざがある。親の愛情はなかなか伝わらず、子どもが勝手に振る舞うことなどを意味する。子育てをする立場になって言葉の意味を実感する

▼親が子に与える最初のプレゼントは名前と言われる。どんな大人に育ってほしいか、きれいな音の響きになっているか、熟慮して命名する。その思いが子どもに届いてほしい

▼最近は読み方などが個性的な「キラキラネーム」も増えた。沖縄の自然や文化を象徴する言葉を盛り込む事例もある。読み方に合わせて多彩な漢字を使うなど工夫している。名前に込めた意味を聞いてみたい

▼今後、戸籍法が改正されキラキラネームに一定のルールを設ける可能性がある。極端に個性が強い名前だと子どもが困惑し、悩むこともあるだろう。「子の心親知らず」という事態を避けるために、少しはルールも必要か

▼自分の名前にどんな意味があるか、普段は考える機会が少ない。時には親子で話してみてはどうだろう。名前をきっかけに会話が深まれば、互いの心も通じるはずだ。

© 株式会社琉球新報社