バーディ締めも1打届かず 中島啓太は予選会経由の海外挑戦を視野

予選通過に1打届かず(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子◇ザ・ジェネシス招待 3日目(18日)◇リビエラCC(カリフォルニア州)◇7322yd(パー71)

最終18番、セカンドを直接放り込むイーグルしか予選通過の道は残されていなかった。ピンまで157yd、8Iを握った中島啓太は「それを狙いながら、いいショットが打てた」と振り返る。ピン上4mからフックラインを沈めてバーディフィニッシュ。通算2オーバーとカットラインに1打届かなかった中で意地を見せた。

早朝スタートの残り4ホールでショットが光った(撮影/田辺安啓(JJ))

4ホールを持ち越した早朝のプレーは、惜しい場面が続いた。16番(パー3)は奥のカラーから傾斜で戻ったボールが右3.5mについたが、「ボール1個分くらい浅く読んでしまった」というバーディパットがカップの左を抜けた。3打目勝負で5m強のチャンスを作った17番(パー5)も「入ったかなと思ったけど、ちょっと曲がらなかった」。納得のパッティングがひと筋、左を通過した。

米国のグリーンに対する“読み”の部分を課題に挙げる(撮影/田辺安啓(JJ))

1月「ソニーオープンinハワイ」と「ファーマーズインシュランスオープン」に続くPGAツアー3試合のスポット参戦を通じて「グリーン上で戦えていない」と唇をかむ。「『上りの2カップスライス』とか、日本でいうと単純な感じなんですけど、こっち(米国)だといろんな傾斜が混ざっていたり、芝の目とか考えることが多い」。ライン読みにおいて海外のグリーンに対する経験値不足を痛感した。

予選通過は「ソニーオープン」1試合にとどまった中で収穫は得た。米本土で練習ラウンドをともにした松山英樹に助言を求めたショートサイドからのアプローチを、第2ラウンドの5番や11番(パー5)でスコアメークにつなげる場面があった。「ショートサイドを攻めて、ミスをしていかないと分からないこともある。それに関しては後悔していないですし、松山さんから教えてもらったことができている部分があったことは自信にして、もっといろんな技を身につけていきたい」と言った。

海外挑戦の夢に向かって歩き続ける(撮影/田辺安啓(JJ))

日本へ戻ってからは3月最終週の国内ツアー開幕に備える。「ターゲットにしている試合で勝つことに集中して準備したい」。ルーキーとして本格的に戦い始めるシーズンに気合をにじませつつ、その先に夢を広げる。「こっち(PGAツアー)のQTを受けるとか、ヨーロッパ(欧州ツアー)の方に行く可能性もある。こっちで試合に出続けられるような、そういう選手を目指してやっていきたい」。味わった悔しさを糧にステップアップを目指す。(カリフォルニア州パシフィックパリセーズ/亀山泰宏)

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