路線バスで荷物を運搬 奥多摩町で「貨客混載」の実証実験

奥多摩町で路線バスを使った荷物の配送サービスの実証実験が始まりました。ネット販売などで配達される荷物が増える一方で人手不足にも悩む物流業界の救世主となるでしょうか。

配送スタッフが軽トラックから台車に荷物を積み替え、向かった先は"荷物を受け取る人の元”ではなく、奥多摩町にある古里駅のバス停です。

東京都は2月1日から奥多摩町で路線バスを利用して宅配便の荷物を運ぶ実証実験を行っています。人口が減少していく地域でも今後も安定して荷物が届けられるようにと、より効率的な運送手段として考えられたのが「路線バス」でした。

乗客と共に荷物も積んだバスは古里駅からおよそ6キロ離れた奥多摩駅まで運んだ後、14キロ離れた奥多摩湖のある留浦(とずら)と、およそ9キロ離れた鍾乳洞がある東日原に分かれます。荷物をまとめて路線バスで運ぶことで、スタッフが荷物を取りに配送センターまで往復する必要がなくなります。このため、留浦まで運ぶ場合、スタッフは1日の移動距離が最大40キロ分短くなるということです。東京都・物流調査担当課長の新妻基晴さんは「路線バスをうまく使ってやれるようなことをどんどん展開できれば、いろいろな事業者からもしかしたら声が上がってくるかもしれない。実験ではなく、社会実装という意味で進めていければ」と話しています。

奥多摩エリアの「貨客混載」の実証実験は2月21日まで行われます。

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