【漫画】一本気な「香」や二股癖の「桂馬」将棋と恋愛タイプをリンクさせた異色作が話題

将棋の駒同士が合コンをする作品『合コンをする将棋の駒たち』という異色の作品がTwitterで話題を呼んだ。将棋の駒の動きと、男性のタイプをリンクさせ、「“歩”のあの人は、平凡だけど将来は大物(金)になる」「“香”は一途で誠実そう」など、見立ての面白さが大きな魅力で、将棋ファンはもとより、その他大勢のユーザーに読まれ、500万再生に迫る人気を博した。

現在、コミックアウルで連載中の作品『ディストピア〜移住先は不貞の島でした〜』

この異色の将棋漫画を描いたのは、コミックアウルで『ディストピア〜移住先は不貞の島でした〜』を連載中の漫画家である杉野アキユキさん(@sugino_akiyuki)。今回は、このマニアックなテーマである将棋をエンタメ作品に仕立てた、創作秘話について話を聞いた。

読みたいポイントからずらさないこと

建設会社で3年間勤務した後、漫画家をめざし、漫画家限定のシェアハウスに入居。そこから、某青年誌の月刊賞受賞などを経て、自ら持ち込んだ作品が出版社の編集者に評価され、漫画家としてデビューを果たした杉野さん。本作を描いたきっかけは、ごく単純に「当時、最も熱があったものが将棋だった」と話す。

『合コンする将棋の駒たち』1-1

「Twitterに『漫画家が将棋に救われた話』というエッセイ漫画を投稿したとき、想像以上の反応をいただきました。それが嬉しくて漫画を描き続け、気づいたらKindleで将棋漫画を自費出版していました!」と話すほど、理屈抜きの将棋愛の結晶がこの作品だったという。

『将棋あるあるで尋問する奴』2-1

認知度と反比例し、ルールを知らない人も多い将棋に、恋愛の要素をプラスすることで、エンタメ作品として昇華させた本作。創作においても、より多くの方に読んでもらえるように、とある工夫を行ったと話す。「将棋がわからない人にもなんとなく意味がわかるように、気をつけて描いています。しかし、自分では客観視が難しいので、将棋のルールを知らない妻に毎回読んでもらい感想をもらっています。今回は女性目線の話だったので、将棋ファン以外にも読んでいただけたのは、おそらく妻のおかげだと思います!」。

『将棋が好きなミルクボーイ』3-1

第三者の視点を借りて客観視する創作方法は、この作品ばかりではないそうだ。「どのジャンルの漫画を描いているときも、とにかく“読者が読みたいポイントからずれないこと”を意識しています。言うのは簡単ですが、これを実行するのがなかなか難しく……担当の編集さんやまわりの人に客観視してもらい、日々助けてもらっています」と杉野さん。

今後の予定については、「現在、色々と進めています!書籍化や新連載などが決まっていますが、まだ言えないことが多いので、Twitterで随時お知らせしたいと思います!フォローして頂けたら嬉しいです!」とのこと。一体、どのような作品に出会えるのか。期待したい。

<杉野アキユキさんInformation>
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(よろず~ニュース特約・橋本未来)

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