台湾へ栃木県産ナシ輸出再開 18年ぶり、規制緩和受け 高級百貨店で試食販売

栃木県産ナシ「にっこり」

 栃木県は2005年以来18年ぶりに台湾への県産ナシの輸出を今月再開し、台北市の高級百貨店で20日、販売を始めた。輸出したのは1個800グラム〜1キログラムの大玉「にっこり」計約200キログラム。11年の東京電力福島第1原発事故に伴う規制が昨年2月に緩和されたこともあり、長年進められていなかった輸出が実現した。

 県は規制緩和後、宇都宮市内の農家1軒を選び、現地基準に沿った農薬の選定など輸出準備を進めた。輸出したにっこりは昨年10月下旬に収穫し、農家が冷蔵保存していた。冷蔵保存すれば3月ごろまで品質を保てるという。輸出事業者を通じて今月14日に出荷され、現地の検疫をクリアした。

 県は現地百貨店に県産農産物の特設ブースを開設。試食販売し、消費者の反応や適正価格などを探る。

 県産ナシの21年度の輸出先はタイ、マレーシア、インドネシア、香港などアジアが中心。大玉で黄金色なことから、縁起が良い果物として人気が高い。さらに台湾では大玉のナシの流通量が少なく、バイヤーからの問い合わせが県に数多く寄せられていたという。

 県経済流通課は「現地バイヤーの期待は大きく、長期的な輸出につなげたい」としている。今年1月には県産イチゴの輸出も再開しており、同ブースでは「スカイベリー」も約40キログラム販売する。期間は3月5日まで。

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